経産省、今年度補正予算案で5兆4290億円 「事業復活支援金」新設、2兆8000億円計上、資金繰り支援も継続 

2021/11/26 17:08 更新


 経済産業省は11月26日に閣議決定した21年度補正予算案で、5兆4290億円を計上した。 繊維・ファッション業界を含めた中小企業対策ではコロナ禍で影響を受けた事業者支援策として、中堅・中小・小規模事業者向けの「事業復活支援金」を新設し、2兆8032億円を計上した。支給額の上限は今年11月~来年3月のいずれかの月の売上高が基準期間同月比50%以上減少した個人事業主(フリーランス含む)が50万円、法人で年間売上高1億円以下が100万円、1億円超~5億円が150万円、5億円超が250万円、30%減以上50%減未満の個人が30万円、法人で年間売上高1億円以下が60万円、1億円超~5億円が90万円、5億円超が150万円となる。

 資金繰り支援として、昨年7月1日から実施している日本政策金融公庫(日本公庫)による資本性劣後ローンの貸付限度額の引き上げを来年度も継続、1403億円を充てる。併せて、既存の予算を使い、日本公庫を含む政府系金融機関による実質無利子・無担保融資と商工組合中央金庫による大規模災害時などでの危機対応融資を今年度末まで延長する。

 さらに、中小企業基盤整備機構の出資ファンド新設を軸に中小企業の事業再編を促す事業に757億円を計上。中小企業の事業再構築と新たな成長支援策として、20年度第3次補正予算で新設し、1兆1485億円を計上した「事業再構築補助金」を6123億円上積みする。複数事業者が連携する場合は売上高減少分を合算可能とするなど売上高減少要件を一部緩和する。グリーンエネルギー導入やデジタルへの投資を拡大した事業者を対象とする「中小企業グリーン・デジタル投資加速化パッケージ」として、売上高減少要件を撤廃する「グリーン成長枠」など「特別枠」も複数新設する。2001億円を計上した「生産性革命推進事業」の中の「ものづくり補助金」でもグリーン・デジタル投資加速化パッケージによる特別枠を設ける。IT導入補助金では、商業集積地やサプライチェーンで複数で連携した事業者向けの特別枠を作る。

 商店街のイベントを支援する「GO TO商店街」を「がんばろう!商店街」に呼称を変え、再開する。昨年度3次補正で計上した30億円と、1次補正で計上した51億円のうちの未執行分を充てる。参加者の感染防止策として、「期間、時間、場所を分散させる取り組みを優先的に支援する」とともに、「ワクチン・検査パッケージ」の導入費用を補助対象に追加し、補助上限額も引き上げる。

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