経産省 繊維工場に対する環境・人権対策 監査の「基準」を策定へ

2023/09/19 07:59 更新


 経済産業省は、アパレル企業などが取引先工場に対して行う環境配慮や人権対策などの監査に関する監査要求事項・評価基準を策定する。

(有井学)

【関連記事】田上経産省生活製品課長「アパレルは産地を回り、物作りの理解を」 「現場を見ない」に不満多く

 有識者会議「繊維産業における責任ある企業行動ルール形成戦略研究会」を新設し、議論する。事務局は製造産業局生活製品課。座長は新宅純一郎東大大学院教授、座長以外の委員は業界団体関係者を含む8人。9月21日に第1回会議を開き、その後は12月までに3回前後会議を行い、来年1月をめどに最終取りまとめとして要求事項と評価基準を策定する予定だ。「将来は認証制度を目指す」(生活製品課)という。

 繊維産業では環境配慮や人権対策などの「責任あるサプライチェーン管理」などサステイナビリティー(持続可能性)への対応が求められている。日本の縫製工場やテキスタイルメーカーなどが海外企業からこうした対応を取引条件として求められるケースが多く、取引先工場に対して監査を行うアパレル企業なども増えている。

 ただし「企業によって監査基準に違いがあったり、海外企業から日本の実態と異なる対応が要請されるなど工場の負担になっている事例が多く、一部で監査疲弊が起きている」という。研究会はこうした課題を受けて新設する。「日本の繊維産業の実態を踏まえた基準を作り、監査コストと負担を軽減し、国際競争力強化を目指す」という。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事