ニューヨーク・メトロポリタン美術館のコスチュームインスティチュートで、「マヌス×マチナ」展が開催されてる。ラテン語でマヌスは「手」、マチナは「機械」を意味する。副題は「テクノロジー時代のファッション」。刺繍、造花、フェザーワーク、プリーツ、レーザー加工、レースなど、さまざまなテクニックが機械と手を駆使してどの時代にどのように取り入れられたかを検証した展覧会だ。見ごたえがあり、ファッションの仕事をする人には必見。(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
この展示会では、オートクチュール、プレタポルテを問わず、ビンテージに見られる緻密(ちみつ)なクラフトワークから昨今の3Dプリントまで、究極の手仕事と機械加工技術、そしてありったけの思い入れが込められてそれぞれの服ができ上がったことを目の当たりにできる。展示数は170点以上、時代は1900年代初頭から現代まで。
メーンピースは、カール・ラガーフェルドがデザインしたシャネルの14年オートクチュールのウエディングドレス。6㍍以上の長いトレーンをびっしりと埋めつくすハンドペイント、機械によるラインストーンプリント、パールとビジューの手刺繍が、この展覧会のコンセプトを象徴している。