《16年春夏ミラノ・コレクション》複雑な柄ミックスを軽やかに
【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】16年春夏ミラノ・コレクションは、柄ミックスがより複雑になっている。ボーダーやストライプなどの幾何学柄に、花模様やチョウの柄。透ける素材を重ねて柄を透けさせたり、アップリケや刺繍をプラスしたり。複雑なのに軽やかに見えるものも多い。
マックスマーラは、トレンドの柄ミックスをシンプルにクリーンに提案する。テーマは海の物語。ピッチの違うボーダーや星、大小のロープ柄を全身に描いた楽しいマリンスタイルを、黒白、赤白、黄色と白などの2色で大人っぽく表現した。ジャン・コクトーのドローイングがインスピレーションソースになった。オールバックのモデルたちもクールなムード。ぴたぴたのTシャツや細身のセーターに、ワイドパンツや膝下丈のタイトスカートを組み合わせてロング&リーンを強調する。
エトロのテーマはノマディックガーデン。南仏のボヘミアンクラフトや東欧のアンティーククロスから着想したフォークロアを軽やかに仕上げた。コットンレースのドレスにはチロリアン風の太いリボンを飾り、ギャザーを重ねたドレスには花刺繍のベストを重ねる。微妙にトーンの違うフラワープリントを組み合わせたドレスは、色あせたような柔らかな色合い。フリルやリボンがフェミニンなスタイルに動きをプラスする。穏やかで牧歌的なムードだが、肌の透け感や軽やかな布の動きが都会的で洗練されている。
(写真=大原広和)