《16年春夏ミラノ・コレクション》テープやリボンのフルイドライン
【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】16年春夏ミラノ・コレクションに、風をはらんで揺れるフルイドラインが広がった。バックに布を畳んだり、テープ状のひもをサイドから流したり。ラッフルやフリル、リボンのディテールなども目立つ。
マルニはグリーンや白、青、赤などの原色と風に揺れるシルエットを組み合わせた。エプロンドレスやホールターネックのコンビネゾン、オーバードレスなどのレイヤードスタイルが基本で、直線的なカットや切りっぱなしのディテールを入れながら縦長のシルエットを作る。チューブトップのようなレイヤードもあり、得意の刈り込んだファーのトップにもファーのチューブトップを重ね着する。カラーブロックのドットをレースのようにつないだドレスに、拡大された草の葉柄をカラフルにプリントしたドレスなど、鮮やかなグラフィックで遊ぶ。オーバードレスは、バックシームが縫われない状態で、ゆらゆらと揺れるものや、バックに布を畳んだディテールが特徴となる。
ドルチェ&ガッバーナはイタリアのアートと伝統的なクラフトマンシップへのトリビュートのコレクション。イタリアの小さな街角に見立てたステージから、50年代のスタイルのさまざまな刺繍やパッチワークをしたカラフルで華やかなスタイルが登場する。ローマをはじめとするイタリア各地の遺跡をかたどったアップリケドレス、花柄ドレスにタイル柄のカフタン、レースやストライプの華やかなドレスが揃う。アクセサリーはカメラ型のバッグやかごバッグ。
フィロソフィ・ディ・ロレンツォ・セラフィニは、前シーズンに続きロリータ気分満載のコレクションを見せた。カットワークレース、小花柄のプリント、クロシェニット、壁紙のような風景画のプリント。繊細でガーリーなムードが漂う素材をミニドレスやショートパンツ、プリーツドレスといったアイテムにのせる。ブルマのようなパンツのディテールに胸元のフリル、ショルダーから流れるラッフルのような布の動きなどで少女っぽさを強調した。
(写真=大原広和)