「ミナ・ペルホネン」は15日、東京・南青山のスパイラル5階に、新店「コール」をオープンした。デザイナー皆川明が中心となって世界中から「呼び集めた良いもの」を揃えるとともに、飲食を併設する初のショップになる。
売り場面積は328平方㍍。大きな売り場の随所にこだわりを詰め込んだ。エントランスでは、可憐な花々やチョウを描いたグリーンの壁画が目に飛び込んでくる。その周りに敷き詰められたのは、定番の「タンバリン」柄を描いた瀬戸焼のタイル。淡い水色で空を表現した。
店内は、大きなテラス(470平方㍍)から光が差し込む。フロアの中央には産地直送の野菜などが並ぶマーケット。その周りの回廊に沿って各スペースに行ける。店舗デザインは、ランドスケーププロダクツの中原慎一郎氏が担当した。
カフェ「家と庭」では日替わりスープやコーヒー、ワインなどが提供される。オリジナル生地の端切れを生かすモノづくりと同じように、手間のかかる無農薬の野菜を余すところなく使うことを意識しているという。
メインのフロアでは、オリジナルや仕入れの服とともに、さまざまな土地から生活雑貨が集められた。アーティストによる作品からアンティークまで幅広い。ガラスのシャンデリアやピッチャーは、ガラス作家の辻和美さんの作品。アートピースと日常の道具を同じ目線で置いている。「人が大事に作ったものを、お客様に長く使っていただきたい」と皆川はいう。
奥のフロアの目玉は、オリジナル生地のメーター売り。季節に合わせてセレクトしており、2カ月ごとに入れ替わる。現在は夏向けのリネン生地が並ぶ。そのほかオリジナルの瀬戸焼の食器や端切れを使ったぬいぐるみなども販売している。
回廊沿いには、西麻布にあった茶房「櫻井焙煎研究所」も移転オープンした。買い物とお茶の時間を、ゆっくりと過ごすことができる店になりそうだ。