国立新美術館は、来春からスタートする展覧会「ミヤケイッセイ展、三宅一生の仕事」の概要を発表した。同展はデザイナー三宅一生の約45年間にわたる仕事を紹介する企画で、初期から最新プロジェクトまでの120点の服が揃う。デザイナー自身がこれまでに行ってきた展覧会の中でも最大規模となる。
展示は70年代の服や、身体に焦点を当てた服など四つのパートで構成する。見どころは、初公開の製品プリーツの制作過程。映像のコーナーや体験型の展示も充実する。「衣服は普遍的なレベルで生活と結びついて生まれるデザイン」というデザイナーの思想が浮かび上がるように、ファッションの展覧会ではなく、デザイン展として企画が進められた。
三宅は伝統技術や職人技を衣服デザインに生かすとともに、新しい素材や服作りの方法の探究も続けてきた。三宅デザイン事務所の北村みどり社長(写真)は「三宅が伝え続けてきたことは、デザインの楽しさやモノを作り出すことの素晴らしさです。展覧会では、それを感じてもらいたい」と語った。
同展は、国立新美術館が07年の開館以前から計画してきた企画。イッセイミヤケはこれまでに制作した5万点のコレクションを全て保存しており、「それらの整理が進み、展覧会の開催を決めた」という。会期は16年3月16日から6月13日まで。