《新天地で根づきゆく種》ハウス　物作りの魅力を背景から伝える

本多さん（左）と松下代表

　「物作りは、誰かが寝る間を惜しんでできたもの」。そう語るのは、千葉県出身で、遠州織物の魅力を生かしたアパレルメーカーのハウス（浜松市）に入社した本多美賀さん。自身も作り手として学んできた経験から、地域に根差し、職人をリスペクトする同社の姿勢に共感した。

【関連記事】《新天地で根づきゆく種》宮城興業　若手が自発的に成長できる場を

〝裏側〟に思い

　綿織物で知られる浜松市を中心とした遠州産地。旧式のシャトル織機で極細糸を高密度に織るなど、技術を持つ機屋が集まる。ハウスはこの技術を生かしたアパレル製品の販売を通じ、遠州織物の魅力を広めている。

　本多さんは美大付属高校に通い、大学では工芸コースで染色を専攻。卒業後は地元・船橋の美術館で、子供たちに向けた工作や料理などの創作ワークショップの企画・指導に携わった。2年後、大学の友人に勤め先として紹介され、入社を誘われたのがハウスだった。