ボリュームシルエットにロマンティックディテール
17年春夏コレクションをプレゼンテーションで見せたニューヨークのブランドには、たっぷりした量感のアイテムが目立つ。超ワイドレッグのパンツが特に多い。一方で、ディテールは刺繍、リボン、ラッフルなどロマンティックな手法が充実している。(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
これまで、広い会場にモデルを立たせるプレゼンテーションをしてきた「ケイト・スペードニューヨーク」が、今シーズンはノマドホテルの特設サロンで、ミニショー形式で見せた。音楽も雰囲気もモロッコ調。民族衣装のウエイターが観客一人ひとりにひざまづいてミントティーを入れる演出もあった。冒頭はピンクのバラをプリントや刺繍で見せる。プリーツやレース、リボン、刺繍といったロマンティックなディテールも多い。しだいに黒が加わり、ピンクもダークなトーンに変わって少し毒気を漂わせる。中盤は一転、ゆったりリラックスした気分が広がる。ルーミーなシルエットを彩るのは、明るいマルチカラーのストライプ。裾にはタッセルがゆらゆら揺れる。モザイクタイル柄のドレスや、インテリアのレースを思わせる白いレースで仕立てたドレスも登場。締めくくりはカラフルな配色のラクダ柄で、エスニックをポップにアレンジした。
「アリス・アンド・オリビア」の着想源は、16世紀のローマに造られたミステリアスな庭園と18世紀のタロットカード。いつものようにカラフルな刺繍やプリントが多いが、古びたニュアンスを感じさせる色、柄、アップリケを加えた。アイテムはワイドレッグパンツ、フロアレングスドレス、ミニドレスが多い。タロットカード柄のシャツやバッグ、ファンタジックなアップリケをのせたサテンのスタジアムジャンパーも。
「Jクルー」は、社員やその友人、家族をモデルに起用し、リアルピープルのための服をアピールした。ワークウェアのラフなイメージとボリューム感のあるフェミニンディテールをミックス。ペンキが飛び散ったパンツやシャツがある一方で、量感のあるラッフルを飾ったロングスカートや円形の刺繍を散らしたチュールのロングスカートも見せた。トップは裾にチュールを飾ったスウェットシャツ、ボーダーストライプを入れたスパンコールのプルオーバーなどスポーティーな中にファンシーな要素を入れている。
「ロジー・アスリン」は迫力のあるシルエットと大きなパーツ使いはそのままに、少しスポーティーになった。ボーダーストライプのフロアレングスのポロドレス、スパンコールで幅広のボーダーストライプを描いたフロアレングスのシャツドレスがその代表例。チェックも花も大きな柄だ。袖山にギャザーを入れて量感を出したパフスリーブ、大きなリボンやラッフルで、ロマンティックな気分も加える。
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