日東紡グループの接着技術の採用広がる 9種の機能性コーティングで

2023/03/31 13:00 更新


「ディアライン」が採用されたランドリーバッグ。内側のドットが消臭コーティング

 日東紡グループは、接着芯地で培った接着剤をドット状で基材に載せる技術が、他の衣料資材や雑貨、インテリアなどに広がっている。多機能コーティング技術「ディアライン」を軸に拡販し、ブランド化を目指す。

 ディアラインでは、機能剤を基材にコーティングし、機能性を付与する。必要な部分にだけドット状に載せられるので、従来の両面全体をバインダーで覆うパディング加工に比べて、風合いや通気性が損なわれない。機能剤が肌に触れないなど安全面も設計しやすい。また、複数の機能剤を干渉し合わず載せられる。洗濯耐久性もある。

 機能性は「抗菌防臭」「抗ウイルス」をはじめ、発熱する「温感」やマットに使える「防滑」といった9種ある。顧客の用意した薬剤を使うOEM(相手先ブランドでの生産)も可能。

 特に好評な消臭機能は、汗臭を主に抑える衣料資材向けの機能剤に加え、生ごみや排泄臭など9種の臭いに対応する「ダンフレッシュ・S」をそろえる。雑貨用途では、アウトドアブランドで22年末発売のランドリーバッグに採用された。内側のトリコットに加工した帽子は、23年3月発売する。寝装やインテリア向けは開発完了が目前だ。

 防虫機能も、アウトドア向けのTシャツやアウターの表地で実績がある。目下はテント内に加工する機能剤を開発中だ。カーテンなどインテリア用途でも引き合いがある。

 日東紡が得意のガラスクロスにも加工でき、「ガラスクロス・ドット」として訴求する。自動車向けなど産業資材での活用に期待する。カーボンクロスへの加工は開発中だ。

 接着芯地でも「次世代」の技術開発を進めている。接着樹脂に汚れが取れやすい処方をした防汚加工は、カジュアルシャツ向けに販売が順調だ。超臨界染色は30年を目指す。また、接着樹脂の生分解にも挑戦する。

防虫成分をドットコーティングした生地の拡大図。繊維に成分が付着していることがわかる
防虫加工したアウターの表地。ドットで加工したことが目視できるのも機能があることを伝えやすい


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