【ニューヨーク=小笠原拓郎、杉本佳子通信員】16~17年秋冬ニューヨーク・コレクションで、アメリカのリアルな女の子のスタイルを背景にしたコレクションが相次いでいる。ガーリーなムードやロリータの気分とスポーティーでユーティリティーを感じさせるアイテムのミックスが主流となっている。
スチュアート・ヴィヴァースによってブランドを刷新しているコーチは、アメリカのガーリーなスタイルをベースにコーチらしいレザーを軸にしたテクニックを取り入れて見せた。たくさんのアップリケを飾ったスタジアムジャンパーは、大きなボリュームでバックドレープを作るものとミドリフ丈でセットアップのように着こなすもの。
カーキのコートは襟にピンクのシアリングを飾る。ウエスタンシャツのようなヨークの切り替えのブルゾンセットアップは、柔らかなピンクに花の刺繍が映える。レザージャケットにはパイソンやカラフルなレザーを象眼細工のようにはめ込み、シアリングのコートは毛足の刈り込み方でグラフィカルな柄を描く。セーターには稲妻やスカルをコミカルに編み込み、ピーコートやピージャケットにもたくさんのワッペンを飾る。スポーティーでキュートなガーリースタイルだが、コーチの今までのマーケットにうまくはまるのか。そこが気になるところだ。
トリー・バーチは、フランスのヌーベルバーグの映画監督エリック・ロメールの映画からイメージを広げた。乗馬のモチーフや70年代の気分で描くコレクション。カラーブロックのコートに乗馬パンツ、乗馬に使うショートジャケットといったアイテムで軽快に見せる。ダイヤ柄のモチーフも多い。スパンコールのダイヤ柄ドレスやシアリングをダイや柄に刈り込んだブルゾンといったアイテムが目立つ。花柄のブラウスにニットベストやバギーパンツを合わせたスタイルは、70年代のレトロなムード。タッセル飾りがアクセントとなった。