「ワークウェアスーツ」 2年目は売り上げ3倍を達成

2020/04/06 06:30 更新


 スーツに見える作業着ブランド「ワークウェアスーツ」を製造・販売するオアシススタイルウェア(東京)は20年2月期、前期比3倍の3億円の売り上げを達成した。2年目となった前期は商品の幅を広げ、期間限定や常設販売を行う百貨店やセレクト店を増やし、販路が拡大。法人でも2月末で350社が導入して好調だ。今期は協業品の開発など、販売店舗との取り組みを強め、ウェブを使った発信を強化し、10億円の売り上げを目指す。

(河邑陽子)

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 同社は、マンションの給水管洗浄などを手掛けるオアシスライフスタイルグループが17年に設立。水道工事での長年の経験を基に、現場で作業しやすい機能性と耐久性に加え、フォーマルな要素を兼ね備えたスーツ型でおしゃれな作業着を開発。18年3月末に発売し、EC主体に初年度は1億円を売り上げた。

 2年目は生産体制を整え、2年かけて開発したオリジナル素材を使った生産を開始。オリジナル素材「アルティメックス」は汚れに強く、伸縮性と撥水(はっすい)・速乾・形態安定性に優れ、毎日洗えてタフな上、柔らかく肌触りの良い点が好評だ。

 商品は女性用も作り、Tシャツやコートなどの服種、パンツの丈や色目も増やし、サイズは3S~5Lに広げて品揃えを拡充。メンズのデザイナーモデルの「ワイゾー」、ストリートとモードをミックスした「MNT」など新ブランドも出してテイストを広げ、客層が拡大した。

 オンライン販売から開始し、前期は販路も大幅に拡大。三越伊勢丹の全国の店舗に加え、山形屋や博多阪急、2月は初めて西武池袋本店、そごう横浜店でも期間限定販売を実施。アバハウス、アーバンリサーチストアの一部店舗、「417・エディフィス」全店でも、昨年から常設販売を開始。三越伊勢丹では昨年6月から浦和店、2月末から広島店でも常設売り場を開設した。法人の導入企業も2年で350社に増え、建設、製造、運送、金融、サービスなど多様な業種に拡大中。前期の売り上げはウェブが4割、実店舗と法人3割ずつとなっている。

 今期は売り上げのさらなる拡大を目指し、販売店との取り組みを強化中だ。アバハウスでは常設販売店を原宿店のほか、3月下旬から大阪・ヌー茶屋町、福岡、札幌、恵比寿の各店に拡大。原宿店での販売開始1周年を記念し、両者では初の協業品「ワークウェアスーツ×アバハウスブラン」も開発した。

 協業品はフレンチモード色を加えた黒と濃紺のジャケットとパンツで、白いパイピングやジップアップ、ボタンホールで爽やかさを演出。同店の顧客の要望に応え、従来のアンクル丈とフルレングスの中間の丈に設定。ジャケット1万6000円、パンツ1万2000円。3月末に原宿店で販売を始め、今月上旬からヌー茶屋町、福岡、札幌店とアバハウスのオンラインサイトでも販売の予定だ。

 販促も強化中で、公式インスタグラムを昨年5月、フェイスブックも同10月から本格的に開始。地方で期間限定販売を行う時は、SNSの広告を店頭での販促とVMDなどと連動させ、売り上げの伸びを狙っている。

アバハウスでは販売開始1周年を記念して協業品を開発


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