モデルでデザイナーのマリエさんによる「パスカル・マリエ・デマレ」はサステイナブル(持続可能)な物作りとともに、工程や素材の背景を伝えることを重視している。3月に開いた展示会では、白いTシャツのボディーに素材や物作りの背景を説明したメッセージを載せて展示した。
◇身に着ける意味
「ブランドを立ち上げて3年目に入り、売れる商品も見えてきた」とマリエさん。SNSで商品の背景にあるストーリーを伝えると売れるという。「もう戦争はいらない」というメッセージとともに作る軍服の古着をアップサイクルした巾着ポーチは毎日のように注文が入り、生産が間に合わないほどの人気商品だ。「見た目ではなく、身に着ける意味やお金を払う価値を探しているのでは」とみる。
◇野生の鹿革で雑貨
3月の展示会で好評だったファーのボストンバッグは、中国のファー工場から出た端材をパッチワークしたもので、裏地にはウェットスーツの端材を使った。金属パーツ以外はすべて残反や端材で作っている。「廃棄されるはずだった材料を使っても、誰が見ても高級バッグに見えるクオリティー」を目指した。また、野生の鹿革を使った雑貨の開発も始めている。「野生だから傷もあるが、それも格好良い。美しさの定義を変えていきたい」。今後、鹿の角の再利用も計画している。
夏物では、日本環境設計の再生素材「ブリング」やオーガニックコットンを使ったレディスウェアなども発売する。
パスカル・マリエ・デマレはバーニーズやロイヤルフラッシュなどセレクトショップ・専門店への卸売りのほか、定番商品は自社オンラインショップで販売している。