仏「ピガール」は8月30日、東京・渋谷の円山町に世界3店舗目になる旗艦店ピガール・トウキョウをオープンした。ラグジュアリーストリートを代表する人気ブランドのアジア初の旗艦店だけあって、初日のオープン前には店頭に長蛇の列ができた。
旗艦店がオープンした円山町は、クラブやラブホテルが隣接するカオスな雰囲気が独特で、ファッションブランドが出店するのは珍しい。クリエイティブディレクターのステファン・アシュプールは、自身が生まれ育ったパリのピガール地区に似た雰囲気が居心地良く、東京に出店するなら円山町と決めていたという。
「渋谷に隣接したこの歓楽街は歴史や文化があってさまざまなインスピレーションが生まれている」と評価する。多くのブランドが出店する銀座や青山といったファッションエリアは「好きではない」そうだ。
新店は昭和の香りが漂う薄いピンクのマンションの1階。飲食店だった当時のムードが少し残るガラス張りの外観は、カオスな街のムードに馴染んでいる。店内はさまざまな素材を掛け合わせたモダンなデザイン。石のタイルやコンクリートの床に、さび加工を施した鉄のロゴがはめ込まれている。
商品は秋冬の新作やバスケットボールラインに加え、ナイキと協業したスニーカーやポーターと協業した世界30個限定のリュックも並ぶ。帽子のバリエーションも豊富に揃う。
ピガールは13年7月にジャイル表参道に期間限定店をオープンし、14年9月から有力セレクトショップなどにショップインショップを開設するなど、少しずつ日本市場でのアピールを進めてきた。