PVパリ24年春夏 相反する要素の共存 優しさのあるくすんだ色が浮上

2023/02/09 06:28 更新


規則的なストライプにランダムな柄を組み合わせた(トルコのシャラバティデニム)

 2月7日に開幕した国際素材見本市のプルミエール・ヴィジョン(PV)パリ。落ち着きを感じるようなややくすんだ色みや、自然を思わせるアースカラーが浮上している。しかし一方で、メッシュやレースといった透明感のある素材が求められるなど、半透明と透明、マスキュリンとフェミニンなど相反する要素も重要になっている。

 コロナ禍を経て日常を取り戻す解放感からは一段落。改めて自分や周囲を見つめ直すことで、求められるのは素朴ながら洗練された本質であり、落ち着きのある色みだ。理想と現実のはざまをたゆたうような抽象的なデザインも目に付く。クラウディーな白、ローズカッパー(銅)、アッシュピンク、磁石のようなグレーなど、簡単に説明できないような〝思慮深い〟色がPVのトレンドカラーをかざった。

 「コロナ禍以降、一見矛盾するもの、もしくは補完しあうような要素を取り入れる傾向が続いている」と指摘するのは、デゾリナ・ズーターPVファッションコーディネーター。「鮮やかなメリハリの利いた色みよりも、より理性的、伝統的な色合い。サステイナブル(持続可能な)という側面からみても、長く着られるかどうかというのも大事な要素になってくる」と語った。

(パリ=三冨裕騎)



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