「リ・サルト」名古屋・栄にオープン サステイナブルな「お直しファッション」発信

2022/01/05 06:27 更新


ニューヨークのソーホーを想起させるスタイリッシュな内外装にした

 名古屋市の中心街に拠点を構える縫製企業の未来縫製(名古屋市、福田穣社長)は21年12月18日、名古屋・栄の地下街に洋服リフォームショップ「リ・サルト」をオープンした。洋服のサイズ直し、リフォームだけでなく、メンテナンスや各種ケア商品の販売、オーダースーツまで幅広く手掛け、今後東海地区での出店も視野に入れている。

(森田雄也)

メンテナンスのレクチャーも

 提供する主なサービスは、テーラードジャケットのサイズダウンやスラックスのサイズ調整、踵(かかと)ゴム交換、すべり革交換、ソールの交換といった洋服と靴のお直し。ジャケットやコート、ワンピース、靴のメンテナンスも行う。

 さらに、シューケア用品、洋服用のブラシ、洗濯洗剤も扱っている。同社がサステイナブル(持続可能)ファッションを打ち出していることもあり、洗濯用洗剤は、セーブ・ジ・オーシャンが展開する100%植物由来で、排水後は水と二酸化炭素に素早く分解される「海を守る洗剤」も揃える。オーダースーツも受けており、ゲージサンプルを店内に配置する。

 ショップにはお直しを担当する縫製職人1人、フィッター1人を常時配置する。一般的なお直しショップでは兼務することが多いが、あえて別々に配置することで精度の高いリフォームを目指す。「フィッティングには最低30分以上かけて丁寧に行いたい」(福田社長)と強調。加えて、顧客への洋服と靴のメンテナンスのレクチャーにも力を入れる。

 オープニングイベントとして、21年12月18~31日の期間中、洋服のお直しを依頼した客全員に次回から使えるお直しギフトカード3000円分をプレゼントした。さらに1月2日~23日、お直し代金が最大15%オフになる「お直し体験イベント」を開くほか、2月にはオーダースーツイベントなども開催する予定だ。

「SDGsやサステイナブルの意識が強まり、お直しやケアをして大切に服を着続ける人が増えている」と話す福田社長

お直しの見方変わるスタイリッシュな内装

 同社は工業縫製と一般客からのお直しの二つの部門を抱える。「銀座サルト」などを展開するお直し業の老舗であるサルト(東京、檀正也社長)の協力を得ながら、名鉄百貨店本店メンズ館にお直しショップ「サルト名鉄店」を展開している。

 サルトは洋服のお直しが中心だが、リ・サルトでは「サステイナブルファッション店」を掲げ、従来の洋服のお直しだけでなく、靴のお直しやメンテナンスサービスなどにも力を入れる。店名にサステイナブルを想起させるように〝リ〟を頭文字に付けた。

 店の内外装も米ニューヨークのソーホーを意識してスタイリッシュに仕上げ、人通りが多い栄地下街に店を構えることで、これまでサルトでは取り込めなかった新規客も呼び込む。店の壁面に取り付けたデジタルサイネージにはQRコードが表示されており、その場で予約が可能だ。

 客単価は1万円前後を想定し、当面は月の売り上げ200万円を目指す。今後は後継者を育成し、愛知県の豊田市や豊橋市のほか、岐阜や三重に出店することも視野に入れる。

外からあえてミシン、アイロンが見えるようにガラス張りに

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