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「16年春夏トレンドこれでばっちり」注目のインターナショナルブランド5選
(テキスト:五十君花実、撮影:大原広和)
1、クロエ
注目ブランドの1つめは「クロエ」。エフォートレス(=肩の力の抜けた)な70年代ルックを提案した15~16年秋冬シーズンに続き、16年春夏もトレンドをひっぱっています。日本のガールズブランドのディレクターも、みな注目ブランドとしてクロエを挙げています。
1.90年代レイブファッションに着想
今シーズンは、90年代に盛り上がったレイブファッションがデザインの発想源でした。レイブとは、ハウスやテクノといったダンス音楽のイベントで、今で言う野外音楽フェスのこと。それゆえ、現代のフェスファッションにも通じる、スポーティーでカジュアルダウンした着こなしがランウェーに登場しました。
2.スポーツ要素のガーリー仕上げ
スポーティーなジャージと女の子っぽいアイテムを組み合わせたスタイリングが印象的です。
3.キャミソールやキャミドレス
キャミソールやキャミソールドレスも、久々に注目のアイテムとなっています。
4.再び期待のデニム&オフショルダー
デニムアイテムは、引き続き売れ筋となりそうです。また、オフショルダーのデザインは、16年春夏のファッションには欠かせません。ブラウスでもワンピースでも、オフショルダーデザインが注目さています。
5.隠れヒットの予感、オーバーオール
隠れヒットになりそうなのが、オーバーオール型のコンビネゾン。デニム生地が定番ですが、デニム以外の素材でも、クロエだけでなく様々なブランドが企画しています。
6.ヒット確実!袖ふんわりブラウス
袖の膨らんだブラウスは、ヒット確実と言われているアイテムです。16年春は、この写真のようなスタイルが街に溢れそうです。
2、ロエベ
16年春夏の注目ブランド2つめは、「ロエベ」です。イギリスファッション界の期待の星、ジョナサン・アンダーソンが15年春夏からクリエーティブディレクターを務めており、この1年でぐぐぐっと注目度が上がりました。
0、ジョナサンてどんな人?
ジョナサンは1984年生まれとまだ若いですが、自身のブランド「JWアンダーソン」もセレクトショップで人気となっている実力派のデザイナーです。 彼は元々俳優志望ということもあり、写真のようにハンサム。それがエディターからの人気の理由と、冗談まじりに分析する人もいます。
1、ミラー装飾でフューチャー感覚
フューチャリスティック(=未来的)な感覚がジョナサンの持ち味ですが、16年春夏物でもそれは健在。ミラーをびっしり飾ったプルオーバーが印象的です。ここまで強いアイテムはマスマーケットには広がらないでしょうが、PVC素材やラメなどで、フューチャーなエッセンスを一部に取り入れるスタイルは注目されそうです。
2、麻素材がヒットの予感
16年春夏は、乾いた大地を思わせるプリミティブ(=野生的)なムードもトレンドです。麻素材のオールインワンは、まさにプリミティブを体現するアイテム。
3、SNSウケを狙え!ポップなプリント
今はSNS上で拡散しやすいかどうかも、ファッションデザインをする上で欠かせない要素。このようなキャッチーなロゴプリントは、まさにSNSウケが狙えるアイテムです。ロエベ以外にも、「モスキーノ」や「ランバン」が同様にキャッチーなロゴプリントを出していました。
4、アウターはトレンチ風コート
アウターで街に広がりそうなのが、写真のようにトレンチコートをアレンジしたアウター。素材を変えたり、ディテールを変化させたりしたトレンチが店頭に溢れそうです。
3、サカイ
16年春夏の注目ブランド第3弾は「サカイ」です。阿部千登勢(あべ・ちとせ)さんがデザインするサカイは、いまや日本を代表するブランドではなく、世界のトレンドをひっぱる、非常に大きな存在になっています。
サカイといえば、異なる素材や柄、アイテムを1つに組み合わせた、“ハイブリッド”デザインがブランドの顔となっています。16年春夏は、そのハイブリッドにいっそう磨きがかかり、非常にパワフルなコレクションとなりました。
1、“スーベニアスカーフ”柄に注目
今シーズンのサカイで、必ずおさえておきたい柄が2つあります。1つめは“スーベニアスカーフ”をイメージした柄です。 スーベニアスカーフとは何かって?スーベニアとは英語でお土産のこと。パリやベネチアなど、世界の有名観光地を旅すると、お土産物屋さんに観光名所のイラストをプリントしたスカーフが売っていますよね。あれがスーベニアスカーフです。レトロで可愛らしい印象の柄です。
2、街に広がりそうなバンダナ柄
注目柄の2つ目は、バンダナ調のペーズリー模様。通常、バンダナはプリントで柄を載せますが、今季のサカイではプリントとともに、刺繍での表現が豊富です。 オーガンディーにペーズリーを刺繍したものは、バンダナ特有のカジュアル感が抑えられ、ぐっとエレガントに見えます。バンダナそのものやバンダナ柄は、マスマーケットにも広がると期待されています。
3、セクシー!?スリットスカート
深いスリットの入ったスカートが新鮮です。セクシーな印象になりそうですが、フラットシューズやスニーカーを合わせて、あくまでクールにまとめるのがスタイリングのポイント。
4、LGBTをサポート
注目ブランドとのコラボも多いサカイですが、今シーズンはブランド以外ともコラボしています。コラボ相手は、80年代のニューヨークで、LGBT(レズビアンやゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどの性的マイノリティ)に熱狂的に支持された伝説のクラブ「パラダイスガレージ」。 写真のトップにパラダイスガレージのモチーフが使われています。コラボ商品の売り上げの一部は、LGBTのサポート団体に寄付されるそう。アメリカで同性婚が合法化されるなど、LGBTを支える動きは、いま世界中の関心事になっています。そうした動きを背景にしたコラボと言えます。
5、チラ見せランジェリーにドキッ
ランジェリーを思わせるキャミソールやキャミソールドレスは、16年春夏のトレンドアイテムの1つ。1枚では着こなすのに勇気がいりますが、写真のようにチラ見せするのなら、取り入れることができる人も多い…かも!?
6、ヒット予想◎、オフショルダーアイテム
16年春夏は、トップもワンピースもとにかくオフショルダーが旬です。トレンドの流れが、マスキュリン(=男性的)からフェミニン(=女性的)へと移ったので、女性らしさが出せるオフショルダーデザインががぜん注目を集めています。
4、グッチ
16年春夏の注目ブランド第4弾は、ミラノの「グッチ」です。グッチといえば、「セクシーでシャープな女性」と以前はイメージが決まっていましたが、15~16年秋冬シーズンから新しいクリエーティブディレクターになって、セクシーなイメージは過去のものになりました。そのあまりの変わりっぷりに、エディターやバイヤーは熱い視線を注いでいます。どんなブランドに生まれ変わったのでしょうか。
1、セクシーよりも“カワイイ”が気分
すけすけのフリルブラウス、深いスリットスカート。どちらもとってもセクシーなアイテムのはずなのに、首元のボウ(=リボンのこと)やスイートな色合わせによって、セクシーさを消してしまっています。 今の時代のグッチガールは、セクシーよりもガーリーなイメージ。そんなカワイイ系のテーストが支持されているのです。
2、まるでアニメや漫画…!?
このドレス、胸元のラッフルが立体的に見えますが、実は平面で絵のようになっています。まるで漫画のような表現です。大きなメガネや髪型もアニメに出てくる女の子みたい。こうしたナード(=おたくっぽい)な感覚も、新生グッチを語る上で欠かせません。
3、ママの若い頃風のトラッド
このスタイル、70年代に一世を風靡した「ニュートラ」というファッションを思い起こさせます。70年代風テイストはトレンドではありますが、今っぽく薄めて表現するブランドが殆(ほとん)ど。しかし、グッチの70年代調はなかなかの直球です。
4、モノグラムもこんなにガーリーに!
グッチのお財布やバッグによく使われる、GGマークのモノグラムも、花柄のプリントを載せて、こんなにガーリーに変えてしまいました。
5、さて、どこまで広がるのか?
ここまで見てきて、「可愛らしいスタイルだけれど、マスマーケットには広がらなさそう」と思った人も多いはず。確かに、新生グッチは超上級者向けのファッションです。 しかし、服でなくて雑貨ならば、個性の強いアイテムも取り入れやすい!写真のファー付きスリッパは、15~16年秋冬物でも企画された商品ですが、街のおしゃれさんの間に広がりつつあります。似たデザインを企画するシューズメーカーも出てきています。
5、ヴァレンティノ
16年春夏注目のインターナショナルブランド5選としてお送りしてきたこの企画。トリを飾るのは「ヴァレンティノ」です。 ヴァレンティノはここ数年、常にトレンドを引っ張っています。オートクチュールメゾンならではの職人の手仕事と、遊び心のあるモダンなデザインとが組み合わさって、他にない存在感をはなっていることがその理由です。バッグやシューズも人気で、売り上げを押し上げています。
1、春夏の本命、のエスニック
16年春夏の最重要トレンドとなっているのが、エスニック調のファッションです。日本のガールズブランドの多くもエスニックを出しています。 そうしたエスニックブームの発信源となっているのが、まさにこのヴァレンティノです。マサイ族やアフリカの大地を思わせるビーズ装飾や色柄を盛り込んでいます。
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