高速・高精度スキャン技術のスキャンディット(スイス・チューリヒ)は、モバイル端末向けバーコード読み取りアプリ「スキャンディット」をアパレル企業向けに販売を強めている。精度の高さやAR(拡張現実)表示機能といった強みを生かし、在庫管理の効率化、店舗体験の提供などを訴求する。
スマートフォンやタブレットにダウンロードして、端末のカメラでバーコードや英数字、IDとひもづけたデータなどを読み取る。コンピュータービジョン技術(カメラでとらえた情報から機械学習で対象を認識する技術)により、距離や角度などを問わず高精度で読み取れる。パッケージの反射や、バーコードの破損の影響を受けない。複数のバーコードの一括スキャンも可能だ。
また、読み取り時のAR表示機能を備える。ERP(全社的業務統合管理)データなどと連携することで、ピッキング対象のバーコードのマーキング、在庫数の表示、商品評価のポップアップなどARで様々な利便性を高める。
顧客の自社アプリの一部にスキャン機能として組み込んで使える。新規開発時だけでなく、既存のアプリにも適用が可能だ。ウェブサイトに組み込むこともできる。対応端末は2万機種以上ある。個人や会社支給のスマートフォンで使えるので、ハードウェアを導入・維持するコストを削減でき、ハンディターミナルに比べコストを抑えられる。
1000社以上に採用されており、うちアパレル業は海外を中心に大手SPA(製造小売業)など約100社にのぼる。LINEの「スマホレジ」に導入されているほか、倉庫でのピッキングや買い物代行アプリなど、従業員用ツールと消費者用サービスいずれでも実績を持つ。アパレル分野では、ECサイトと店頭在庫データの連携による売り逃し防止や、会員ランクに応じた値引き価格のAR表示による販売促進といった活用が期待できる。
同社は、同アプリの開発とともにスイスで09年に設立し、日本事務所を21年に開設した。今後は、同アプリの読み取りスピードを改善するアップデートを予定している。