副資材卸の島田商事、機能品を相次ぎ開発 パーツ活用し製品提案も

2024/07/31 06:25 更新


ウレタン製立体ワッペン「4DVC」

 服飾副資材の島田商事がスポーツウェアやカジュアルウェア用途を想定した新商品を相次ぎ開発している。副資材を活用したユニークな製品提案も強化している。

 重点商品の一つは、同社が強みとする高級アウターウェア用のワッペンだ。新商品のウレタン製立体ワッペン「4DVC」は、透明のウレタンを真空成型で立体的に加工した物で、垂直に盛り上がった形状が特徴。高さは3ミリ程度。ワッペンと同じ形にカットした表地に裏から熱圧着で貼り付ける。ワッペンが透明のため、下に色柄のある生地を重ねると、そのデザインを立体的に見せることができる。

 製品提案では、アウトドア用のアウターウェアなどを通じ、意匠と機能を兼ね備えた副資材を訴求した。ベンチレーション用のコードストッパーは金属調のパーツを使って高級感を出した。コードを絞った時にギャザーがきれいに表れるようパターンも緻密(ちみつ)に設計した。トレイルランニングに使うウェアには、走行中のバックパックによる体への負荷を抑える衝撃吸収パッド「ピタフォーム」を背中や肩の位置に使った。肩位置のパッドにはぬれた時と乾いている時のいずれの環境でも滑りにくい2種類の素材を貼り付けた。

 雨天に撮影する一眼レフカメラユーザーを想定したレインウェアも作った。ファスナーを駆使して変形させ、前身頃が雨除けになるユニークな設計だ。撮影時の衣服内を快適にするダブルラッセルの通気テープなど、各所に工夫を凝らした。

高級なカメラを雨から守るレインウェアにはファスナーなど副資材を駆使した

 同社は約20年前からスポーツウェア分野の用途開拓に力を入れ、固有の技術を持つ国内外のメーカーとのパートナーシップを深めてきた。これが新商品を生み出す源泉となっている。



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