中東情勢の悪化が続く中、靴業界にも影響が表れている。アッパーとソールの貼り合わせなどに使われる接着剤は石油を主原料としており、靴業界全体で接着剤不足が深刻な問題になっている。
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日本ケミカルシューズ工業組合によると、接着剤元売りから4月上旬の段階で、一般的な接着剤は2カ月ほどしか供給できないと報告を受けた。特殊な接着剤は供給が止まりだしたものもあるという。
靴メーカーのリゲッタは接着剤メーカーから中東情勢の影響で供給を一時ストップすると連絡が入った。現段階では5月末まで供給がない見通しで、当面は手元にある在庫で対応する。今後どこまで生産に影響が出るか確認を急いでいる。
日本接着剤工業会は4月20日付の「お知らせ」で、「政府による代替調達や備蓄石油の放出により、石油やナフサの国内需要は確保されつつあり、供給の偏りや流通の目詰まりも徐々に解消に向かっている」としている。
日本ケミカルシューズ工業組合によると、便乗値上げなどの動きはないという。一方で「買い占めが起こるのを警戒しての値上がりもある」とみる業界関係者もいる。
供給ルートの開発、代替品の活用も進み始めた。リーガルは「(接着剤の有機溶剤である)トルエンは2、3カ月後には供給が止まると聞いている」とし、ノントルエン(水性接着剤)に変更している。別の供給先を探すなどの対応も進めている。
モーダ・クレアは代替の接着剤が活用できると判断したとしている。