ショップに生息する謎の生き物図鑑‐1

2017/03/04 06:00 更新


最新ファッションを探しにショップに出掛けると、そこはいつの間にか珍しい生き物の宝庫に!?最近どうも売り上げが伸び悩んでいる、客数が減少しているショップは、実はこの生き物の繁殖が、お客様を遠ざけている原因かもしれません。早速どんな生物か、ご紹介しましょう。

(リテールコンサルタント 西村宏子)

ゴビ砂漠ラクダ

空調で乾燥し、砂漠のように言葉が干上がって、ついに語尾だけになってしまったラクダ。「ませ~」「ま~す」「ました~」の三つの鳴き声が特徴。樹木の多い山林ならやまびこになるが、もはや不毛の土地だからか。店の入り口付近に生息。なぜかオスが多い。

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突然ラビット

無言でお客様の前をぴょんと横切るウサギ。または突然ドンとぶつかってくる。なぜかバインダーを持っていることが多い。ウサギは鳴かないため、来店客が気づかないので危ない。ウサギ飛び出し注意の看板が必要か。レジカウンター内やラックの間が主な生息地。

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いらっしゃいませイヌ

店の真ん中で、「いらっしゃいませ」を連呼する。縄張りを意識しているので、その場所から動かず、おたたみをするのが習慣だ。しっぽを振っているので敵意はないが、自分の世界に入っているためか目が合わない。すぐ買う優しいお客様を待っているのかもしれない。

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中身がないゾウ

ゾウなので大きいかと思えば、長い鼻と尻尾以外は張りぼてという噂だ。「いらっしゃいませ~」と長く伸びるが、そのあとは鳴かず、お客様が店を出る際に、突然「ありがとうございました!!」と感動的な鳴き声でパオ~ンと鳴く。覆面調査ハンターを恐れている。

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ごんぎつね

先祖のごんぎつねが兵十に贈物をしたのに銃で撃たれたためか、リアル店舗や人間(=お客様)に期待せず、ロールプレイングコンテストでのみ真価を発揮。店頭に戻ると木の葉や木(=什器)に化けるのが得意。その落差にお客様はキツネにつままれたようになる。

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近寄れないハリネズミ

アプローチには近づくという意味がある。それなのに、「接客が苦手なお客様が多い」という思い込みのもとに、3メートル以内に近寄れなくなったかわいそうなハリネズミ。よく見ると可愛い顔をして、触るところんと丸くなり、愛嬌もある。自信を持って近づいて!

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皆さんのショップでは、謎の生き物は見つかりましたか? 私は先日あるファッションビルで、2時間で5匹見つけました。「可愛い」などとゆめゆめ思わないことです。ショップ衰退の元凶ともなる謎の生き物たち、飼育係が間違った育て方をしたのでしょうか、それとも環境の変化に合わせて自ら突然変異を遂げたのでしょうか?

接客で「正しいこと」と「間違っていること」、「してはいけないこと」と「しなくてはいけないこと」、「足りないこと」と「やり過ぎないこと」を、きちんと判断できることが今求められていると感じます。

(このシリーズは続きます)



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