米で注目、ミレニアルズ攻略にスナップチャット

2016/02/18 13:25 更新


【ワールドビジネスニュース 北米】
10秒動画で1対1のコミュニケーション
毎日1億人超が利用、動画閲覧70億回以上

 アメリカでは、1980~90年代に生まれたミレニアルズ世代(19~35歳)がターゲットとして大きな注目を集めている。この世代を引きつけるツールとして、モバイル及び写真・動画は欠かせない。中でも、ソーシャルメディアのスナップチャットを研究してビジネスに取り入れることは、ミレニアルズ攻略に必須となっている。

 投資銀行のファイナンコが毎年1月に開いている「ファイナンコCEOフォーラム」で今年講演したスナップチャットの最高戦略責任者のイムラン・カーン氏は「ミレニアルズは(スナップチャットを)コミュニケーションの手段として使っている。彼らは写真や動画を通じて話す。60%以上がアクティブに使い、毎日コンテンツを生み出している」と説明した。スナップチャットにおける毎日の動画閲覧数は70億回以上に及ぶという。

 スナップチャットは、10秒で自動的に消去される写真及び動画を通じた1対1の双方向コミュニケーションツールだ。誰か特定の人に見てもらうことが目的で、共有したり保存したりすることを重視していない点がほかのソーシャルメディアと異なる。

 カーン氏はスナップチャットが支持される理由として、「パーソナルで、今日起きていることが、フルスクリーンで見られることが人気の理由。文章が間に入らないフルスクリーンの動画が、次世代には好まれる」と語った。同氏によると、アクティブにスナップチャットを使っているユーザーは毎日1億人以上に及ぶ。アメリカのミレニアルズの60%が、スナップチャットのユーザーだ。男女の比率は半々で、半数以上は米国外にいる。

 カーン氏はまた、「1対1のコミュニケーションは頻度を高め、1人から大勢へのコミュニケーションはストーリーを推進させる」と、他のソーシャルメディアとの違いを説明した。広告に関しても大きな違いがある。フェイスブックやインスタグラムなどでは、ランダムに広告が出てきてわずらわしさを感じることがある。ユーチューブなどでは見たい動画の前に見たくない広告を見せられると、ネガティブな気持ちを呼び起こすことになる。スナップチャットにはそうしたわずらわしさがないと、カーン氏は強調した。

 撮影したロケーションに合わせてブランドのロゴや都市名などを追加できる「ジオフィルター」機能を使った写真は、毎日4億~5億枚、閲覧されているという。「リリー・ピュリッツァー」「マクドナルド」などがすでにこの機能を使用している。口から虹色の舌が出ているなどというように写真を加工する機能は、毎日1千万人以上に使われているそうだ。(ニューヨーク=杉本佳子通信員)



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