ガーリーな70年代を凝ったテクニックで
タイ発の「スレトシス」(ピム・スクハフタ)は、サロンショー形式で16年春夏物を見せた。会場は、14年秋にオープンした東京・南青山の直営路面店「スレトシス・イン」。ショップの1周年記念のお祝いも兼ねて、02年のブランド立ち上げ以来のアーカイブ作品10点も展示した。
春夏は、70年代の自由なスピリットと、家族で旅したというブータンのイメージとをミックスしている。花柄ペイントのホワイトデニムサロペットに、花モチーフのカットワークレースドレス。どちらも、花の中にスマイルマークが隠れている。
ジャカードニットの千鳥格子調の柄は、ツバメのシルエットを連ねて作ったもの。ラペルの太い、レトロな感覚のテーラードジャケットに仕立てた。フェイクスエードのブルゾンは、スカジャンのようなトラの刺繍が載る。よく見るとトラがマニキュアを塗っていたりと、ブランドらしいガーリーな遊びが随所に散りばめられている。
「女の子にとって、洋服を着るのは楽しみであって欲しい。日常にキラッとする何かを呼び起こすような服作りがしたい」とデザイナー。可愛らしいイメージの一方で、花柄のシルクシフォンをチュールと縫い合わせ、柄に合わせてハンドカットしたり、細かなビジュー装飾をしたりと、凝ったテクニックも盛り込んでいる。