蝶理グループのSTXは、印オーガニックコットン(OC)の新ブランド「コンフィル」を立ち上げた。OCは3年以上農薬や化学肥料を使わずに栽培する必要があるが、コンフィルは4年以上と、より厳しい基準を課す。
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中番手はシャンカール、細番手は超長綿DCHを使用する。ぬめりと光沢がある印のOCにこだわり、「春夏のレディスウェアでは欠かせない」素材にブランディングする。米農務省が定めるNOP(国家有機プログラム)認証を取得、「原料から生地、製品まで一貫で履歴管理し、強みを発揮する」。異物混入を減らすため、手作業や光学センサーなどで品質を高め、特殊紡績で毛羽立ちが少なく、肌触りが良いしなやかな糸に仕上げる。
従来のOC使いの生地は受注生産だったが、コンフィルは糸を日本で備蓄し、西脇などで生地を作る。コンフィル100%に加え、経糸にコンフィル、緯糸に蝶理の高伸縮糸「テックスブリッド」やポリエステルを使った生地など約40品番が揃う。
「長い夏対策」としてベトナムの自社工場SGSは、従来よりも中・軽衣料のラインを増やし、その目玉商材にコンフィルのシャツを位置付ける。今後はベトナムで織布と縫製を行いリードタイムとコストを抑えたい考えだ。
高品質な4級原料だけを使ったラミーの「ラミー4(フォー)」は、高騰するリネン代替として提案する。繊度が細く、ネップが少ない厳選した原料のみの仕上がりの良さに加え、製品染めの歩留まりが良く、ラミーをリネン風の生地に仕上げるなどし高品質とコスト抑制を両立する。
SGS以外のベトナム製造拠点も充実する。ダナンのSGHは、パンツが主力でデニムの洗い加工もする。25年春夏向けではデニムの織布からパンツ縫製まで一貫を強みに打ち出す。
ベトナムではSTXのベトナム法人と蝶理の製品事業を一体的に運営する。ベトナム・アンフングループの最新工場、ヴェストンでメンズスーツやセットアップを生産。現在の年4万セットを早期に10万セットに引き上げる。