17年春夏物のニューヨークファッションウイークが始まりました。今シーズンはショーを取りやめたブランドが増えていますBCBGマックスアズリアはまったくやらないし、ダイアンフォンファステンバーグはアポイントメント制で見せる形式です。
デレクラムは限られた媒体の編集長のみ20人を招待するサロンでの発表形式で、日本のプレスは入れないとか。久しぶりにやるタクーンも、こじんまりプライベートにやるようです。
最終日は実質マーク・ジェイコブスのみになり、なんだかな~そんなことばかりやってると海外のプレスやバイヤーからそっぽを向かれちゃうんじゃないのぉ?ローカルにウケてればいいわけ?と文句の1つも言いたくなります。
そんな気分をくすぶらせつつ、ファッションウイークの初日の朝起きて、メールを見てビックリしました!朝4時半にカニエ・ウエストとアディダスの「イージー・シーズン4」のショーの招待状が、シートナンバーと共に届いていたからです。
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ニューヨークでは、ファッションウイーク中のショーなどは通常、ファッションカレンダーという業界のためのスケジュール表を見て申し込みます。
イージーのショーはファッションカレンダーに載っていなかったから寝耳に水で驚いたということもありますが、内容が、「ショーは今日の3時から。1時半にバスでピックアップするので集合場所に遅れずに来てください」という究極のラストミニッツだったからなんです。
席を埋めるのに苦労しているショーも少なくない中で、当日の早朝に連絡してもみんな来ると強気になれるのはカニエクラスの有名人ならではだなぁ、有名人っていいなぁと思ってしまいました。
しかも、その時点で場所は知らされず、バスでどこに連れていかれるのかわからない、まるでミステリーツアー状態!まあでも、ニューヨークコレクションなんだかなぁと思っていた空気に想定外の衝撃、「何が起きるかわからない」という面白い要素を持ち込んでくれたことは評価していいと思います。
というわけで、急遽予定を調整し、バスに乗り込み出発。ちなみにバスに乗る少し前に、場所はルーズベルトアイランドと知らされました。
ルーズベルトアイランドは、マンハッタン島の東を流れるイーストリバーに浮かぶ細長い島です。ブルーミングデールズの近くからケーブルカーが出ていて、地下鉄と同じ料金で利用することができます。ルーズベルトアイランドから眺めたマンハッタンの景色はこんな感じ。右側に見える橋は、クイーンズボローブリッジです。
私は前の晩4時間しか寝ていなかったので、バスでの行程は仮眠をとるのにちょうど良かったのですが、到着したときはすでに3時。その後指示に従って歩いて会場に向かったのですが、炎天下の中入り口で待たされてなかなか入れてもらえません。
インターナショナル・ヴォーグ・エディターのスージー・メンケスも、バーグドルフグッドマンの大物バイヤーたちも同じように待っていました。みんな手持ちの紙を顔のそばで扇いでいましたよ。私は扇子を持参♪我ながら用意がいい~。
やっと、一応中に入れてもらえたと思ったら、いきなりTシャツ屋登場!一瞬、お土産にくれるのかと思いましたが、75ドルとの声が聞こえてきました。
カニエには熱狂的なファンが多いので、75ドルのTシャツ買ってイーベイに出しても200ドルくらいで売れるかもしれないとも思いましたが、もうこの時点で4時となり、暑さとイライラでめんどくさくなってTシャツは買わずに会場に向かいました。
その後も炎天下でこんな風に待たされる来場者たち!もういい加減、ばかばかしくなってきましたよ。
やっとモデルたちが並ぶ会場に案内されました。芝生に整列したモデルは全員、褐色の肌のモデルで、ボディスーツやブラトップ、レギンスなど下着のような服を着ていました。
このモデルたち、ずっと立ったままの状態がえんえんと続き、4時半になってやっとランウェーを歩くモデルが登場したんです。
歩いてくるモデルたちはオーバーサイズのアノラック、もこもこしたダウンジャケット、ムートンのコートなど量感のあるアウターをはおっていました。足元はぶかっとしたタイハイブーツが多かったですね。
ちょっとヒドイと思ったのは、炎天下での立ちっぱなしに耐えられなくなって座り込むモデルが続出したんですが、その時に駆け寄って声をかけたり水を取りに行ったりするのは近くに立っていたモデルたちだけで、スタッフでそういうことをする人がいなかったんです。
これってかなり驚きですよね。客席からも「This is torture.」(これって拷問だよね)という囁きが聞こえてきたのですが、ホントにそう。だいたい、バスの集合時間から含めたら、ショーが終わった5時ちょっと前まで3時間半も拘束されたことになります。
もう、人の時間をなんだと思っているんだ!モデルの人権をなんだと思っているんだ!反省しろよ~と、フィナーレで走るカニエに言いたい気分でした。
帰りはバスに乗るならピックアップした場所まで戻るとのことで、また1時間半かけて戻るのは問題外でしたので、ケーブルカーで帰ることに決定。で、この方が断然早くて楽でした。
最初からバスなど出さず、そう指示してくれれば良かったのに!ったく!でも実は私、ニューヨークに住んで28年以上になりましたが、このケーブルカー、今まで乗ったことがなかったんです。いつか乗りたいと思いながら、何故か機会がなかったんですね。なので、念願かなってケーブルカーに乗れたのは良かったです。笑
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)