桑原直が手掛けるレディスウエア「スナオクワハラ」(スナオクワハラデザインズ)の16~17年秋冬物は、クリーンで透明感のあるムードはそのままに、以前よりもぐっと大人っぽくなった。「いろんなことをそぎ落とすとともに、質の良さを追求した」(桑原)コレクションだ。エイ・ネットから独立して最初のシーズンだった今春夏は、自社ECサイトでの販売に加えて百貨店3店で催事を開いた。各店とも予想以上の来客、売り上げとなったことを受け、秋冬は開催店舗を広げる予定だ。
秋冬物は、コットンプリーツにウール地を重ねたラップスカートに、ボディーバッグのような大きなポケットをポイントにしたシャツドレスなど、ベーシックに少しだけひねりを加えたデザインが基本。そこに、ヨーロッパの古いカーテンから起こしたという柄や、カラフルな幾何学模様のプリントを差して遊びをきかせる。アウターは、シェットランドウールのツイードなどで構築的なシルエットのジャケットやテーラードコートを作った。女性的なアイテムとメンズ要素のアウターとのミックススタイルを見せる。
今春夏は、三越日本橋本店、松屋銀座本店、井筒屋小倉店で1週間の期間限定店を開いた。好評を受け、秋以降も継続して催事を行う話が進んでいる。「20年ブランドを続けてきたことで、顧客が全国にいることを改めて実感した」と広報担当者。展示会を顧客に開放するなど、桑原自身が直接顧客にもの作りについて伝える機会を増やすことにも力を入れている。