サンコロナ小田は主力商品のオーガンディのブランディングを進めている。売りにする豊富な合繊薄地織物の中でも高度な技術で品質を高めた素材を集約し、「ヴィーナスオーガンザ」として打ち出す。多種多様なオーガンザで「合繊薄地のトータルプロデュースを訴求する」(小田外喜夫社長)狙い。
撚糸業が祖業の同社は、得意とする糸加工の技術を活用し、モノフィラメントで作るオーガンザを売りにブライダル向けで存在感を発揮。現在はファッション向けで伸びている。色の種類を充実し、3000品番の在庫販売が評価されている。取り組み先は海外のラグジュアリーブランドから国内のアパレルまで幅広い。
ブランディングで「シャワー効果」に期待する。ヴィーナスオーガンザを切り口に定番商品の提案につなげ、色や薄さ、風合いなど様々なオーガンザを作れるメーカーと認知してもらう。ヴィーナスオーガンザはナノテクノロジーを応用し上質で軽く、透明感のある素材で構成する。メタリックな輝きで「未来感」があるのも特徴。経糸に7デニールのポリエステル糸を、緯糸にラメ糸やシルク糸などを使った無地を充実する。
種類は大きく二つ。一つは「カラースパッタリング加工」を施した、空気のように軽やかな超極薄オーガンザだ。金属膜をナノレベルで積層させる加工で、光干渉で角度によって様々な色を放つ。もう一つは、屈折率の異なるポリエステルとナイロンをナノ単位で61層に重ねた「モルフォ糸」を緯糸に使ったタイプ。無染色だが、光の反射でチョウの羽のように神秘的な色の光を発する。
11月に開かれるプレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)を皮切りに、来年2月のミラノウニカ(MU)、プルミエール・ヴィジョン(PV)パリでも紹介する。MUは初めての参加。PTJのブースは金色の壁で囲み、アイキャッチャーにする。