サンウェルは、24年総合展示会で、気候変動に対応するテキスタイル提案を強化した。デジタル技術を使った、テキスタルからアパレルまでの製品企画サービスも訴求する。
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機能素材では、現在と過去(15年前、30年前)の気温・降水量などのデータを示し、気候変動に対応する撥水(はっすい)、通気性、UV(紫外線)カット素材などの素材を二次製品で提案した。
アウトドア・レジャーを意識しながら「シティーでも楽しめる」軽くて丈夫な機能素材「カルジョブ」シリーズでは、再生ナイロン糸「リコンフィー」のタフタ、リップストップなどをみせた。撥水機能では「30年前と現在の降水量は約1.7倍になった」(観測地点は東京、気象庁データ参照)として、ナイロンライトクロスツーウェーストレッチや、再生ポリエステルリップストップなどを出した。
更には「10~11月の秋でも、気温25度以上の夏日が観測されている」として、ウール調合繊の「ラナテック」シリーズを充実。ポリエステル100%のモールヤーンクラシックチェックやガンクラブチェック、アムンゼンなどをジャケットやパンツで提案し、好評だった。天然繊維調な合繊テキスタイルの人気が高まる市場ニーズを反映して、綿のようなポリエステル「マルーデコットン」シリーズではワッフルも打ち出す。
また、日本写真印刷コミュニケーションズと協働で、マテリアルスキャン3Dテクスチャー作成サービスを打ち出す。同社の高精細入出力デジタル技術を生かして、素材現物が持つ微妙な凹凸感や質感を3Dデータにする。サンウェルはデジタル技術を活用したモデリングデータ作製サービス「サンウェル3D」を始めた。生地とアパレル製品の3D画像や動画を作成して、製品企画のデジタル化による利便性を訴求する。
サンウェルは「デジタル技術による物作り提案を強化しながら、2000品番と2万色のテキスタイル在庫で、求められる機能性やトレンドを反映した素材を提案する。日本と中国やタイの海外現地法人を生かした生地から製品までの一貫した提案を行う」方針だ。