神戸の古着店「タナゴコロータス」(運営ル・タナゴコロータス)は、昨年春からの期間限定店を経て、2月から東京の渋谷パルコに常設店を開設する。主力の欧州古着だけでなく、代表を務める中村善幸氏がデザインし店内で販売するオリジナルブランド「ネニュファール」がファンを増やしてきたことも大きい。3月には大阪の心斎橋パルコにも出店する予定だ。
渋谷パルコの期間限定店は当初、22年春から6カ月間の予定だったが、好評だったことから、その後も2カ月単位の更新を3回延長し、今回の常設店(1年契約)につながった。この間、欧州古着を中心にリピーターが増え、顧客が半分以上と売り上げが安定してきた。ユニセックスな品揃えだが、男性客が中心になっている。さらにオリジナルブランドのネニュファールの売り上げ比率も4割まで高まってきた。
常設店は現在の3階エスカレーター横の約100平方メートルの売り場から壁面側に移転し、約165平方メートルに拡大する。売り場が広くなるため、ギャラリー的なスペースを設け、アートなどを展示販売したり、オリジナルブランドはもちろん、他ブランドの受注会を開催したりと集客の仕掛けに力を入れる。物販スペースでは主力の欧州古着の提案に合った内装に作り込む。オープニング記念商品も販売する予定だ。
今年で創業10周年を迎える同社は、渋谷パルコ、心斎橋パルコの出店など小売事業を強化する。「厳しいコロナ禍でも実績を上げてきており、今後はインバウンド需要の復活などさらなるチャンスが広がる。激戦区の商業施設で通用すれば他でも十分に闘える」(中村代表)と強調する。その先にオリジナルブランドのネニュファール単独での成長も見据える。