「ティファニー」、パリに大型旗艦店開設へ 仏市場に投資拡大

2025/10/30 06:26 更新


 【パリ=松井孝予通信員】仏紙「ル・モンド」によると、仏LVMH傘下の米ティファニーがヴァンドーム広場につながるラ・ペ通りに大型旗艦店を開設する計画を進めている。場所は「カルティエ」(リシュモン傘下)の本店がある通り沿いで、ハイジュエラーが軒を連ねる一角に位置する。売り場面積は約2100平方メートル、地上階だけで450平方メートルを占め、28年末の開業を予定している。

 同紙によれば、店はニューヨーク五番街の本店を改装した際に建築家ピーター・マリノが手掛けたデザインを踏襲し、販売フロアのほかに映画『ティファニーで朝食を』を想起させるカフェや、ジュエリーデザイナーのジャン・シュランバージェの作品を紹介する展示スペースも設ける。工期は2年半以上を要する。

 LVMHは21年にティファニーを約140億ユーロで買収した後、パリではモンテーニュ通りやシャンゼリゼ大通りなどで店舗の再編を進め、改装店では売り上げ効率が平均25%向上しているという。ラ・ペ通りの大型店計画に先駆け、シャンゼリゼ大通りでは既存店を62番地から100番地へ移す工事が進行中という。

 ティファニーはミラノや東京・銀座でも大型店を開設し、世界約200店の改装に数千万ユーロを投じている。同グループの宝飾・時計部門の売上高は1~9月で2%減(恒常為替ベース)の74億ユーロ。

 ベルナール・アルノー会長兼CEO(最高経営責任者)は今年1月の決算報告会で、ティファニーを『眠れる森の美女』に例え、その市場潜在力を強調していた。



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