ミニマルムードをどう差別化するか
色や素材、凝ったテクニックで
装飾性の強いデザインがトレンドとして戻ってきている一方で、リラックス感のあるミニマルスタイルも、女性のリアルに寄り添う提案として引き続き無くなることはなさそうだ。東京ブランドの16～17年秋冬でも、クリーンで静かなスタイルが提案されている。色や素材の変化や仕立てで、単なるベーシックとは一線を画すデザインを、各ブランドが探っている。
「トモウミ・オノ」トレンチコート7万8000円
「トモウミ・オノ」（小野智海）は、端正な仕立てで見せるミニマルスタイル。ブランドらしさが特に凝縮されているのがアウターだ。クラシカルなピークトラペルのテーラードコートは、高い位置で絞ったウエストから裾に向かって広がるエレガントなシルエット。肩の落ちるビッグフォルムや誇張した肩章が80年代調の気分を醸すトレンチコートに、襟を立ててシャープに着こなすピーコート。黒や白、ヌードベージュといったニュートラルカラーに、ところどころ差す深い赤がドラマチックだ。
「トキコ・ムラカミ」コート8万8000円、ハイネックトップ1万5000円、パンツ4万9000円
「トキコ・ムラカミ」（村上登希子）は、得意とするドレープやラッフルをきかせたクリーンなスタイルを、きれいな色とつやのある質感で彩った。テーラードコートや深いＶネックのノースリーブドレスは、フロントにラッフルをたっぷり飾る。ラッフルの裏地を配色に切り替えて、ミントグリーンやオレンジをちらりとのぞかせる。キャミソールドレスは、光のプリズムのように胸元にカラーブロックをはめこんでおり、モダンアートのような感覚で見せる。
