この度、繊研新聞社のこのサイトでレポートを書かせていただく事になりましたミラノ在住の坪内隆夫です。
私はもともとレディースウェアのデザインをしていましたが、現在はJAY PROJECTというヨーロッパで日本のメンズを中心としたブランドの販売促進を、2012年の1月のPITTI UOMOから始めています。
展示会の出展だけでは小売り店のオーダーに繋がらないと思っているので、このプロジェクトでは、これまであった日本のブランドを集めて海外の展示会にまとめて出展するだけではなく、出展ブランドを絞り込み、展示会の前からブランドのプロモートし、展示会後はショールームを設けたりお店をまわったりして、実際にオーダーの取れるプロジェクトとしてこの企画をはじめました。
これについてはまたおって詳しく書きますが、ちょうど今ドイツを中心とし、ベルギー、オランダのお店をコレクションを持ってまわっている所ですので、これについて紹介します。
上記の通り、展示会に出展しているだけではオーダーには繋がりにくいです。
そこでお店をまわり、直接バイヤーに物を見せて行く事が大切だと思い、昨年夏からコレクションを持ってお店をまわることにしました。昨年はドイツだけでしたが、今年はそれにベルギー、オランダを加えました。今年はJAY PROJECTの出展ブランドのRIDING HIGHのアシスタントの林さんも一緒にまわる事になりました。
ケルンのお店の前でオーナーとRIDING HIGHの林さん
地味なやり方ですが、結構効果があります。
まず展示会と違い、一対一で話ができるので、バイヤーに私とコレクションの事を覚えてもらう事が出来ます。また、先に下調べをし、当然私の取り扱っているブランドにあったお店をまわるので、お店が興味を持つのは大体分かっています。
チェーン展開をしている大きなお店や、もう既に取引のあるお店以外は、わざとアポ無しでお店に行きます。事前に連絡すると、かなりの確率で「もううちは間に合っているので、新しいコレクションには興味がない」と断られるからです。運が悪いとバイヤーもしくはオーナーがいない事も有るかもしれませんが、今の所、土曜日曜以外は結構な確率でバイヤーに会う事が出来ています。土曜日曜は、お店も忙しいので私の方でも街をまわり興味の有るお店探しに力を入れています。その場合にはお店のスタッフにバイヤーのコンタクト先を聞いておきます。
という事で、今はドイツのNURNBERGという街に入っています。このお店は去年8月にも来たのですが、残念ながらバイヤーに会う事が出来ませんでした。その後ドイツの展示会に出展した際に連絡もしているのですが、まだバイヤーに会えた事がありません。昨年会えなかったという事も有り、一応事前に電話もしたのですが、バイヤーはおらず、彼のアシスタントが私の紹介しているコレクションにバイヤーが興味が有れば、私に電話をしてくれる、という事になっていたのですが、連絡は貰っていません。
しかし、ここは強攻策としてとにかくこれから行って商品を見せるつもりでいます。実際2日ほど前に事前に連絡していたあるお店から、「新しい商品には興味がない」と言われていたのですが、ここも粘ってバイヤーにあってもらう事にし、オーダーもいただく事が出来ました。もうこのツアーも後半ですが、こんな感じで、日本のブランドをヨーロッパに紹介して行きます。
坪内隆夫 つぼうちたかお 東京モード学園デザイン学部卒業後渡英、1年後に渡伊。デザイナーとして活動をはじめ、ミラノにてオーダーショプ「TAKAO MILANO」をオープン。2004年2月から2007年9月まで年に2度、ミラノ市の協賛を得て、ミラノファッションウィーク開催中に新人デザイナーを中心とした展示会UPSIDE MILANOを主催。その後、ミラノのショールーム、ファッションガイドブックへのコンサルタントを行い、2012年1月のPITTI UOMOから日本のメンズブランドのヨーロッパでのセールスプロモートをするプロジェクトJAY PROJECTを開始する。