ニットメーカーのウメダニット(新潟県五泉市)は、カシミヤのニットブランド「コズ・マニファクチャード・バイ・ラッピンノット」で、編地を工夫してデザイン性のあるアイテムを作っている。自社でデザインから編み立て、縫製まで行う仕組みで、スタイリストの安西こずえさんのイメージを形にし、安西さんのファンを中心に売れている。
ウメダニットはOEM(相手ブランドによる生産)が主力だが、12年春夏から始めた自社ブランド「ラッピンノット」でデザインのノウハウを身に付けてきた。安西さんのイメージをつかみ、スピード感を持って商品化を進めている。
コズ・マニファクチャード・バイ・ラッピンノットは、安西さんの「ニットはカシミヤだけを1年中着たい」という思いを受け、21年に立ち上げた。安西さんが今着たいものを作るため、シーズンの区切りはない。家庭の洗濯機で洗うことができる。冷房が利いた海外のホテルなど、夏の着用を想定した商品もある。ウメダニットの自社ECでの先行受注販売がメインで、インスタグラムで情報発信している。
秋冬向けの先行受注販売では、6型を披露した。毎回人気のハートシリーズのトップはラメ糸を編み込み、大小のハートを描いた。税込み4万8400円。安西さんがホラー映画好きで、血がしたたるチェーンソーをインターシャでわき腹に配置したトップ(4万7300円)は、血のしずくをハート型にした遊び心あるデザイン。ヒョウ柄のカーディガン(6万4900円)と台形のミニスカート(4万9500円)は、ジャカード編みで柄に立体感がある。
このほか、ハイゲージのスムースのヘンリーネックプルオーバー、ローゲージの片あぜ編みのハーフジップトップもある。
梅田大樹社長は「安西さんを通して、いい商品をうまく世に出すことができ、作り手としてやりがいがある。ラッピンノットの知名度向上の相乗効果もある」と話す。