人よぶ秘訣、ユニークホテルに学ぼう(上) 「最高の寝落ち」

2016/10/08 07:00 更新


  ユニークなコンセプトのホステルやホテルが続々登場し、もはやただの宿泊施設にとどまりません。 さまざまな体験を提供するエンターテインメントの場に変貌中。消費者の興味を引きつけ、足を運ばせる仕掛けは、アパレル業界にとってもヒントになりそうです。  

秘訣① 世界中の人と夜までわいわい

ワイズ・アウル・ホステルズ・トーキョー/東京・八丁堀

 東京駅に近く、京葉線で東京ディズニーランドまで一本で行ける八丁堀に7月、「ワイズ・アウル・ホステルズ・トーキョー」が誕生しました。不動産業のシェアカンパニー(東京)が初めて手掛けたホステル。 「宿泊=エンターテインメント」と位置づけ、〝おだし〟がテーマの居酒屋や上質な音響設備を整えたバーを併設。夜まで遊べて、世界中の人と交流できる場を提供します。

ワイズアウルホテル
上質な音楽環境を整えたバーを併設し、音楽イベントにも力を入れる「ワイズ・アウル・ホステルズ・トーキョー」

 地下1階のバーは、世界的に有名なサウンドクリエイターのヨシ・ホリカワ氏がスピーカーを設計、音響設計の霜田英麿氏が音響空間を担当し、ミュージシャンも納得の環境を実現。音楽イベントに力を入れ、7月にはメディアアーティストの真鍋大度氏ら気鋭のアーティストを招いたイベントを開いたほか、新しい音楽プロジェクト「アジアの叫び=HOWLS」を始動しました。 ヒントになったのは、武藤弥社長が若い時に旅した欧米のホテル。 宿泊客と地元客が一緒になって交流する「小さいけどかっこいいホテル」を経験し、「ただ泊まるだけでなく、いろいろな人と交流できる楽しい場所を日本にも作りたい」と思い描いてきました。 不動産業で培った「コミュニティーをマネジメントする力」を生かし、年明けに東京・渋谷近辺、18年には京都にもホステル事業で進出する計画です。  

秘訣② 皆の願望「楽しいまま寝落ち」約束

ブック・アンド・ベッド・トーキョー/東京・池袋

 「泊まれる本屋」というユニークなコンセプトで注目を集めているのは、東京・池袋の「ブック・アンド・ベッド・トーキョー」。 不動産業のアールストア(東京)が新事業として15年11月にオープン。1700冊の蔵書があり、本棚の間に埋め込まれるように設置されたベッドや大きなソファの上でゆったりと読書を楽しむことができます。

ブック&ベッド
「ブック・アンド・ベッド・トーキョー」には昔の『花椿』『装宛』などファッション関連の雑誌も充実。宿泊客だけでなく、日中のみの利用も可能

 「楽しいまま寝落ちできたらいいなと思って」。 ユニークなアイデアは、力丸聡新規事業部兼広報部部長自身の体験から生まれました。親族の結婚式に参列した後にホテルのバーで飲んでいた際、「楽しくて、このままここで寝たいと思った」ことがきっかけ。 ラグジュアリーな演出を競い合う既存のホテルとは一線を画し、泊まることに対して新しい価値を提供します。

パジャマ
ブック・アンド・ベッド・トーキョーでは「ノウハウ」と協業して作ったオリジナルパジャマのレンタルも行う

 「ホテルという枠にとどまらず、ブランド化したい」と、協業にも積極的。6月、パジャマブランド「ノウハウ」と協業して作ったオリジナルパジャマを売り出したところ、約60着が即日完売に。 客は外国人と国内旅行者が約3割ずつで、サードプレイス的に利用する都内近郊の住人も多いといいます。 「新しい体験を求めて来る」人が多く、8割超が20~30代で、7割を女性が占めるとか。 今秋、京都に2号店を出す計画です。



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