「体調不良になる人が続いている」と、ある染色加工企業の経営者は話す。今年の酷暑が染色工場で働く人たちを過酷な環境に置いている。
その企業はスポットクーラーや給水器の設置、塩あめや電動ファン付きウェアの支給などで熱中症対策を行うが、それでも効果は限定的なようだ。
工場内を動き回るためスポットクーラーの前にいられなかったり、機械の熱や蒸気で湿度が高いためファンで衣服内の空気を回しても涼しく感じられなかったりするという。
「すぐに休んでもらって大事には至っていないが、この暑さが今後も続くと思うと気が気でない」。従業員の安全確保もさることながら、人員が欠けることによる作業効率の低下や、物品支給や補助によるコストものしかかる。
記者も工場で短い説明を聞くだけで汗だくになり頭がくらくらした。現場は本当に大変だろうと思う。効果的な方策が一日も早く見つかることを願うばかりだ。
(坂)