身近すぎる言葉「ブランド」③ ブランディング㊤

2017/06/24 06:15 更新


ブランド品が高いワケを見てきたけれど、そもそもなぜブランディングは必要なのでしょう?作って売るだけでは不足なの?

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ブランディングとは単にブランドを作ることを意味するのではなく、市場のなかで競争力を得るための価値を作る、あるいは伝える作業を言います。ブランディングが必要なのは、消費者に安心や信用、特別感や満足感を持ってもらうためです。

ブランドそのものは誰でも作れるし、どんな製品にも付けられる。しかし、それだけで売れる訳ではありません。作る人がどんなに強い思いを込めても、売れなければ単なる思い込みで終わります。また、どんなに才能があるデザイナーであっても、作品を作るだけでは売れません。


ブランディングが必要な理由ってな~んだっ??

例えば、ファクトリーブランドはもともとは知名度が低い。有名ブランドの下請け生産をしていた工場が多いからです。しかし、優秀な職人を抱え、技術や品質は高い。こうした工場の背景を的確に表現し、消費者に分かりやすく伝えることができれば、価格が高くても売れるかもしれません。

また、スーパーブランドでも、もともとは旅行洋品店だったり子供靴のメーカーだったり、あるいは馬具を作っていた会社もあります。そうした歴史や伝統に加え、高品質な製品を提供する生産の背景、そして若く優秀なデザイナーを迎えることでファッションの高いイメージを発信できるのです。


物作りへのこだわりと、それを消費者に伝えるコミュニケーション。どちらかが欠けていても、売れない

そして、こうした背景を的確に伝えるための上質な接客や販売環境、アウターサービスなども不可欠です。こうした様々な面の投資を継続することで、消費者は特別感や満足感を得ることができるのです。

(続く)



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