ニューヨークのバード・グラジュエート・センター・ギャラリーで、2つの展覧会が始まった。1つは、「Shaped by the Loom」。ナバホの織物とアメリカ南西部の風景とデジタルを組み合わせたミックスメディアアート、そして織物と織物をつくる道具などを展示している。ミックスメディアは、元布にアメリカ南西部の景色の写真とナバホの織物の柄をデジタルコラージュでのせていて、ナバホという伝統文化を今まで見たことのなかった新しい手法で表現した。
実際のナバホのブランケット、衣服、ラグはアメリカ自然史博物館所有のもので、大方は一世紀前に購入され、未公開だったレア物。伝統的な柄は左右対称であることが重要だが、新しい世代の職人たちの中には、「ラグやテキスタイルはそもそも環境の恩恵を得てつくられているもので、その環境は伸びたり縮んだりゆがみがあるものなのだから、デザインももっと融通性があっていい」という考え方が出てきているという。
羊の放牧の様子を示す写真、刈った毛をウールに加工するプロセス、最初の羊は16世紀にスペインからの入植者たちによって持ち込まれた歴史も紹介されている。
手織りしている様子を紹介する動画を見ると、根気の必要な作業であること、かの地の人々がこうして生活を営んできたことを改めて実感させられる。手織りや染めの加工で使用する道具も展示されている。
もう1つ始まった展覧会は、「Staging the Table」。1500年から1800年のヨーロッパの上流階級の食卓に関するさまざまな展示で、特に彫刻のように凝ったナプキンのたたみ方は興味深い。さまざまなたたみ方を伝授する古いイラストや動画もある。肉や魚を切り分ける方法や果物の飾り切りを示すイラスト、当時使われていた包丁なども展示されている。テーブルセッティングや料理に関心があるなら、立ち寄ってみることをお勧めする。会期はどちらも7月9日まで。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)