声優の小林愛香さん監修の「yipyip」 ヴィレッジヴァンガードが生産販売

2022/11/29 06:28 更新


 人気アニメで活躍する声優で歌手の小林愛香さんがディレクターを務め、ヴィレッジヴァンガードが生産・販売を行うユニセックスブランド、「yipyip」(イップイップ)が売り上げを伸ばしている。小林さんのこだわりがつまったアパレルや雑貨が、ファングッズとはまた違う魅力の商品として支持され、即完売するアイテムもある。

(高塩夏彦)

素材選びにもこだわり

 ブランドのスタートは19年。店舗のイベントスペースで、声優を招いたイベントなどを実施していたこともあり、声優業界の知見があったヴィレッジヴァンガードが、小林さんに協業を持ち掛けたことがきっかけだ。「昔からファッションが大好きで、自分のブランドを作ってみたかった」という小林さんと意見が一致し、立ち上げた。

 デザイナーには、イラストレーターとしても活躍している行場ユミ氏を起用。同氏が小林さんの意見やデザイン案を、最終的なデザイン画やパターンに落とし込むという体制で、商品を企画している。

 コンセプトは〝楽しむココロと遊びゴコロおもいっきり〟。ブランド名は、子犬がキャンキャンと吠えるのを表した、英語の擬音「イップイップ」から取っており、小林さんの愛称である「あいきゃん」とかけている。

 「ファッションに正解はない、自由な着こなしを楽しんでほしい」という思いから商品に遊び心を持たせている。得意とするのは、腰まわりにベルトがつき、裏表のリバーシブルで着られるボアブルゾンなど、複数の着こなし方を楽しめるアイテムだ。

様々な着こなしで楽しめるボアブルゾン

 デザインだけでなく素材選びにも小林さんが参加する。パターンにもこだわっており、トップなどは裾をタックインした時のシルエットの見え方まで考え、何度も調整するという。

期間限定店を全国で

 販路は主にヴィレッジヴァンガードのECと期間限定店。小林さんのファンを中心に順調に売れている。今年5月に池袋サンシャインシティアルタで開いた期間限定店には、初日から100人以上の行列ができ、即完売となったアイテムもあった。客の男女比はほぼ同じ。

 「デザインの幅が限られるライブグッズなどに比べて、細かいところまで作り込めるのが楽しい。自分が日常で着たい、他の人にも着てほしいと思える商品を作れている」。自分のイベントやライブの会場で、イップイップの服を自由に着こなすファンの姿を見られるのがうれしいという。

 今後は年1回の新作発表を春夏・秋冬の2シーズン制にしていく。東京のみでの開催だった期間限定店も全国に広げ、実際に商品を見ながら買える場を増やす計画だ。

 小林さんは「いつか実店舗を持って、ブランドの世界を体験できる場所を作るのが夢。そのために商品の型数も増やしていく。イップイップの服を楽しむ輪をもっと広げたい」と先を見据える。



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