繊研新聞社が推定した19年の日本の衣料消費市場の規模は、金額、数量ともに前年より減少した。金額ベースで市場規模が減少したのは10年以来9年ぶりだ。数量も主力である中国からの輸入が減り、市場への供給が減った。服の平均価格は前年とほぼ横ばいだったが、家計消費に占めるファッションへの支出も増えていない。暖冬で冬物商戦が不発だったことに加え、19年10月からの消費増税が購買抑制に拍車をかけ、市場規模が縮小したと見られる。
(柏木均之)
伸びたのはECだけ
金額ベースの市場規模は9兆6750億円で前年比1.2%減少した。販路別に見ると、伸びたのはECだけで、実店舗の販売は百貨店、量販店だけでなく、市場の6割近くを占める専門店でも減少した。暖冬の影響で冬物の売れ行きが鈍く、増税前の駆け込み需要があった9月を境に買い控え傾向が強まったことも響いたようだ。
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