【トップインタビュー】カイタックグループ カイタックトレーディング/カイタックファミリー/カイタックインターナショナル 赤木政一社長

2018/03/26 04:00 更新




 カイタックホールディングス(岡山市)は今年、グループ創業70周年を向かえ、3月1日付けで現社名に変更した。カイタックホールディングスでは貝畑雅二代表取締役社長が代表取締役会長を兼務する。カイタックトレーディング、カイタックファミリー、カイタックインターナショナルの主力3事業会社では貝畑雅二代表取締役会長、赤木政一代表取締社長が共に3社を兼任する体制を敷いた。そこで、赤木社長に今後の方向性を聞いた。

-今回の社名変更と人事体制の狙いは。

 社名変更は15年から持ち株会社体制に移行しており、この体制をより一層明確化しようと言うものです。主力の3事業会社では、これまで貝畑社長と各事業会社の副社長という体制でしたが、今回は貝畑会長と私が社長という初めての形態となりました。今後も会長にはグループ全体での方針や事業のアドバイスをもらいながら進めていくと思います。

-これまでの経歴が役立つ部分は。

 まずは、消費者に支持されるブランド作りが大切です。カイタックファミリーでは、様々なライセンスブランドを保有していますが、これまでは自社ブランドとのハイブリッド戦略を採ってきました。自社ブランドにせよ契約ブランドにせよ、消費者に求められる、支持されるトップ・ブランドを常に作り上げ、新しい価値を提案し続ける事が必要だと思います。

 また、ECも含めた「売り方」も大切なのですが、我々は「物を作る」という事も重要視しています。セグメントごとに良い物作りができる工場との取り組みを強化し(自社工場、協力工場を含む)、消費者が着用して満足してもらえる、幸せを感じてもらえる商品作りを続ける事が、トップ・ブランド商品を作り続ける為の条件だと思っています。

 カイタックトレーディングは、ユニホームと商社機能、カイタックインターナショナルは「ヤヌーク」を中心としたプレミアムジーンズの製造販売と小売事業となっています。3社とも基本的な考え方は同じですし、事業の方向性の変更も今はありません。しかし、環境の変化によっては各社の仕事内容を大きく変化させて行く事はあるかもしれませんし事業間の人の異動も出てくるかもしれません。変化対応はカイタックのDNAなので。

本社ビル

-工場との取り組みは。

 「物作りで勝つ」という意識が必要です。中国には自社工場と協力工場が青島、大連、南通を拠点としてあります。人件費は上昇していますが、中国でもQRでさらに効率を高められる商品分野もあります。カンボジアのジーンズ工場は戦力になってきました。自社ブランドの生産から専門店やレディスブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)まで手掛け、年産80万本規模となっています。その他にもバングラデシュやフィリピン、ミャンマー、ベトナム、インドまでありますが、どの国というよりもどの工場と何のアイテムで取り組むかが重要だと思っています。

 一方、国内には自社工場が長崎に2工場(パジャマ、インナー)、岩国に1工場(パジャマ)、岡山総社に1工場(ジーンズ)の計4工場あります。パジャマでは日本製シリーズが好調です。また、ジーンズでは米国ロサンゼルスに洗い加工の工場もあるので、カンボジアと日本、中国、米国と多彩な選択肢のある利点も今後は取引先に訴えたいと思います。総社工場では自社商品の生産のほか、OEM(相手先ブランドによる生産)も可能で、セレクトショップや専門店など「国産ジーンズ」を求める対象にも提案できると考えています。

-社内改革は。

 以前から社員には「誠実、変化対応、チャレンジ」の3つが大切だと言っています。これは、カイタックのDNAなので今後も全社員に実行してもらいます。また、「業績を残す」「赤字は悪」ということを意識させ、徹底していきたいと思います。我々はプロなので、常に成果を上げ続ける事が必要です。その為には、業界の中でセグメントごとに我々のポジショニングを確立させていく必要があります。今の業績を上げる事も重要ですが、将来に向けての投資も同時進行でやっていきます。そして、常に結果を残し続ける企業でありたいと思います。

 カイタックファミリーでは「2020年に残業ゼロ」を目指しています。近年は残業を3分の1に削減しました。お客様に迷惑が掛かったり、業績が落ちると問題ですが、今のところ上記問題をクリアして、残業削減に成功しました。一人ひとり仕事の棚卸しをして、無駄を減らしました。今後も、業革などによって一人ひとりの生産性を上げていきたいと思います。

profile

1965年岡山県生まれ。

88年タイマー(現カイタックファミリー)入社、

 01年カイタックファミリー紳士ナイティー営業部開発部部長兼商品部部長、取締役、

 06年常務取締役、 10年専務取締役、 13年から代表取締役副社長。52歳。

株式会社カイタックホールディングス

〒700-8586

岡山県岡山市北区昭和町3-12 

TEL 086-255-3555

(繊研新聞本紙3月26日付け)



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