アダストリア今期 国内外で出店を強化 BtoB事業も拡大

2024/04/08 06:25 更新


 アダストリアは今期(25年2月期)、主力ブランドの店舗大型化や成長を見込めるブランドの出店拡大を進める。BtoB(企業間取引)事業も拡大し、海外も好調市場への出店やEC強化に取り組む。新卒初任給を2年連続で引き上げるなど待遇改善も実施した。価格引き上げや値引き抑制の継続で粗利益率を改善し、増収増益を目指す。

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 24年2月期は売上高、営業利益ともに過去最高だった。今期は売上高2900億円、営業利益190億円の計画。国内では「グローバルワーク」など主力ブランドで店舗の大型化と好立地への新規出店を行う。

 売上高100億円を突破したライフスタイルブランドの「ラコレ」は10店、OMO(オンラインとオフラインの融合)店舗「ドットエスティストア」は8店を新規に出す。「グローバルワーク・スマイルシードストア」で未開拓SCへの出店を増やす。

 イズミに次いで2月からイトーヨーカ堂へもブランド開発から店舗プロデュース、商品の卸売り、マーケティング、人材育成まで一貫で提供する取り組みをスタートした。「ゾフ」へのユニフォーム提供や空間プロデュースなども手掛け、BtoB事業の売上規模は前期比倍増以上の60億円を見込む。

 海外は中国大陸で収益性を見込める店舗への集中とECを強化。前期22店を出し、好調だった台湾は今期も新規出店を継続する。タイには2号店を出し、フィリピンにも初出店する。

 新卒総合職の初任給は4月、1万円引き上げて26万円とし、全社員の基本給も引き上げた。出店や人件費増で販売・管理費は増えるが、既存・新規事業の双方を伸ばし、価格引き上げと値引き抑制で収益性を維持する。

 商品価格は、前期に続いて今期も約5%引き上げる。前期27%のASEAN(東南アジア諸国連合)生産比率を35~40%に高め、原価率を低減する一方、素材のグレードアップやディテール変更など商品の付加価値向上への努力も続ける。



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