ネクタイ製造卸のアイネックスが手掛けるレディスの国産ストールブランド「アソースメレ」が売れている。素材からオリジナルで作り込む玄人好みのディテールで、30~50代の高感度な女性の心をつかんでいる。
セレクトショップへの卸を中心に販売を伸ばしており、19年の売り上げは前年比90%増のペースで推移している。
(佐々木遥)
■単品を深掘り
ネクタイの販売を主軸とする同社は、成長戦略としてメンズ・レディスウェアのOEM(相手先ブランドによる生産)や伊スーツの輸入販売など新しい事業を広げており、アソースメレもその一環で12年に立ち上げた。OEMで培った物作りを生かして自分たちが本当に良いと思う物を作ろうと始めたが、当初はコンセプチュアルでもなく知名度もなく、取引先の開拓に苦戦。ストールだけでなくベルトなどアクセサリーの総合ブランドとして提案していたが、なかなか芽の出ないシーズンが続いた。
コストパフォーマンスを追求するために中国で生産し、現在の7割程度の価格に設定していたものの「買いやすくても売り場で埋もれてしまう」(長谷川拓朗営業2部課長代理レディス担当)ことが悩みだった。