ビームスが「バーチャルマーケット2022サマー」(28日まで)内の店舗で初めて販売しているアバター用衣装を、VR(仮想現実)初挑戦の記者がバーチャル空間での試着と接客を体験した。
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VRゴーグルとマイク付きヘッドホンを頭に着け、両手にコントローラーを持てば準備は完了だ。この日は、ビームス社員の吉井聖さんと角谷稜子さんがバーチャル接客をしてくれた。
コントローラーを操作して店舗前に着くと、吉井さんのアバターも店の前に出てきてくれた。接客役の2人のアバターは、頭上にビームスのロゴマークが表示されていて分かりやすい。
アバター用衣装は、ロゴ入りTシャツなど7商品あり、価格は700~2500円だ。コントローラーのボタンを商品に向かって押すとアバターの試着が完了する。店にマネキンのように置いているアバターに向かって押すと、パソコン画面に販売サイトが表示され、購入できる。
記者は女性のアバターを使い、メンズのチェックシャツを試着した。「うわっ」。鏡で全身を見た時、思わず声が出た。現実の店で試着をして鏡を見た時と同じ感覚を味わったからだ。「似合っていますね」と、角谷さんが声をかけてくれた。リアルの店舗で接客を受けている時のように心が動いた。
同じく来店していたイベント参加者は「アバターは自分で作った。今度はビームスの洋服が似合うアバターを作ろうかな」と、角谷さんと楽しそうに話していた。「来店する人の目的は交流。接客と言ってはいるが、コミュニケーションを楽しんでいます」と吉井さんが説明してくれた。
バーチャル接客にあたる社員は希望者が中心で、今回は約50人が参加する。今年の「スタッフオブザイヤー」グランプリに輝いたHeg.(へぐ)さんも希望して参加。アバターが着る衣装とはいえ、試着から購入につながり、13~17の5日間で数十点が売れたという。同社は、実店舗同様、VRでもファッション好きが集う場を作ろうとしているようだ。
(山村麻衣子)