ビルケンシュトック アルノー家が買収

2021/02/27 12:25 更新


 【パリ=松井孝予通信員】ドイツのフットウェア「ビルケンシュトック」社が、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン会長兼CEO(最高経営責任者)ベルナール・アルノー氏個人のファミリーホールディングス会社、フィナンシエール・アガシュとLキャタルトンに買収された。買収額は未公表だが、推定で40億ユーロ。

 コルクのフットベッドで知られるサンダルは1774年、ビルケンシュトック氏が考案。メイド・イン・ジャーマニーのファミリー企業として存続してきた。13年に外部から2人の指導者を採用し、17年からブランドイメージ改革に着手。ラグジュアリーライン1774を立ち上げ、「リック・オウエンス」「ヴァレンティノ」との協業を成功させ、シューズファッションの新しいカテゴリーを切り開いた。年間2500万足を生産、19年売上高7億2000万ユーロと、この8年間で150%成長した。

 ビルケンシュトックはドイツ経済紙「ハンデルスブラット」で、この売却の目的について、資本増やイメージアップだけでなく、アジアと中東での販売網拡大とEC開発にあると強調している。売上高の45%が欧州、41%が米国を占める同社は、アルノー氏の力で、特に成長が望めるアジア市場にブランドを定着させたい考えだ。今後も国内生産を続けていくことを明確に表明した。アルノー氏も声明で、「伝統のブランドとしての価値を守り、靴産業のアイコンであり続ける」とコメントした。



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