スウェーデンのSPA(製造小売業)ブランド「ブーメラン」が、今春日本に進出した。「アメリカンアパレル」などに関わってきた小池通正さんが社長を務めるアパレル企画・輸入会社、イレヴンナイン(横浜)が日本での輸入・販売権を取得。今春、横浜にアジア初の直営路面店を開設した。大人のためのSPAとして、百貨店への出店や専門店への卸売りもめざす。
ブーメランは、76年にスウェーデン・ストックホルムでスタートしたカジュアルブランド。メンズウエアからスタートしたが、2000年代からはトラッド色を強め、レディス分野にも商品を広げている。現在は欧州に約40店ある。
1号店は、横浜みなとみらい地区の路面に出店。約60平方㍍の売り場にメンズとレディスを揃える。春夏物は、鹿の子のポロシャツ9600円や、オックスフォード生地のボタンダウンシャツ(1万6000円)、5ポケットジーンズ(同)、ダンガリー生地のテーラードジャケット(4万6400円)、トレンチコート(5万7600円)など。
「日本に広がるSPAの多くは、トレンドに特化したヤングの低価格ブランド。トラッドを経験し、ファッションや身だしなみへの意識も高い50代、60代以上の大人が親しみやすいSPAブランドがもっとあって良い」と小池社長。大人世代に向けて、百貨店でのコーナーやショップ・イン・ショップ、専門店への卸売りなどを行い、東京都内に2号店の路面店開設もめざす。
■日本はブランドの特徴に合った市場ーボザリウスCEO
―――1号店オープンに合わせて、ソフィア・ボザリウスCEO(最高経営責任者)が来日、日本での狙いなどを聞いた。
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ブーメランの最大の特徴は、北欧特有のシンプルでベーシックなトラッド服を、スタイリッシュに仕上げること。そのため、パターンはすべて自社で行っている。
誰でも安心して着られるが、ほかとは少し違うスマートさ、細部に個性のある物作りに力を入れている。ブランドの年商は約35億円で、過去3年間は毎年、増収増益だ。3年後には約50億円をめざす。
購入者の平均年齢は42歳、男女がほぼ半分ずつだ。北欧と日本は、シンプルなデザインが好まれる点や、素材、シルエット、細部にまでこだわる点で親和性が高い。出店、ネット販売、卸売りともに広げて行きたい。