スパイバーと小松マテーレは共創パートナーシップ体制を構築し、小松マテーレがスパイバーに出資することで合意した。スパイバーの人工たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」(BP)で共同事業を実施、防水透湿膜への応用や皮革代替素材の開発を目指す。
【関連記事】「地球再生へ退路断つ」 渡辺ゴールドウイン社長×関山スパイバー取締役兼代表執行役
両社は15年からBPを活用した高次加工で共同開発を行っている。スパイバーが昨年、タイでBPの量産を開始したのを契機に、小松マテーレの高次加工技術とのかけ合わせによる協業を進化させている。
具体的な開発テーマの検討を重ねる中で、小松マテーレがBPの有望性に着目、「石油由来の合成繊維に代わる次世代素材で、新しいビジネスモデル創出につながる技術基盤になる」との認識を深めた。成長基盤の確立へ小松マテーレがスパイバーに出資することで合意、中長期的な開発継続と関係強化を確認した。今後、「共創パートナーシップ体制構築」へ出資額や提携内容について早期にまとめ、契約締結を目指す。
小松マテーレはパートナーシップを通じ、繊維加工で培った防水透湿膜や合成皮革などの独自技術をベースにしたBPの活用を目指す。従来の合成皮革や天然皮革とも異なるBP製の新しい皮革代替素材や、合成樹脂ではない新しい防水透湿膜の開発を視野に入れる。