メタは、文化服装学院と提携して6月に開講した次世代クリエイター支援のためのプログラムの第4回として特別授業を行った。講師には、「MASU」のデザイナーの後藤愼平氏を招いた。
後藤氏は、「MASUボーイズ」を代表とする特徴的なファンコミュニティーを生み出しており、その一環として取り組んできたインスタグラムの活用法などを学生たちに伝えた。
特徴的な例は、デザイナー自身のインスタグラムアカウントで制作過程やインスピレーション源を発信していること。これにより、ファンのクリエーションに対する理解力や熱量が高まり、結果として結びつきがさらに強まるという。
後藤氏に登壇を依頼した理由について、メタでクリエイター支援を担当する大平かりんさんは、「ブランドだけではなく、自分自身のアカウントでも発信しているデザイナーは少ない。リスクもある中で、どんなこだわりを持って取り組んでいるのか聞き、学生たちの可能性を広げることにつなげられたら」と話す。
プログラムは全6回の予定。同学院内で学部などを問わず募集し、約20人が参加している。これまでアダストリアの社内インフルエンサーなども登壇した。
■後藤氏の話
自分が文化服装学院の学生だった頃は、古着屋が主催するイベントなどが頻繁に開催され、いろいろな人と出会い、自然発生的にコミュニティーができていた。卒業以降、ネットワークは広がったが、より結びつきの強いコミュニティーはできにくい時代になっていると感じるようになった。それをきっかけに、インスタグラムを活用したコミュニティーづくりを意識し始めた。
自らあまり発信しないミステリアスなデザイナーもかっこいいと思うが、等身大の自分のやり方で新しいデザイナー像を描きたいと思ってやっている。情報がこれだけあふれているこの時代、どんな情報もすぐに過ぎ去ってしまう。学生には、それをポジティブに捉えて、もっと気楽に発信してみてほしい。