群馬県高崎市の「チョウジロン」は、コーヒースタンドを併設したメンズ・レディスの古着店だ。飲食店に務めていた金井鷹之さんと、アパレルの販売員だったさゆりさんの夫婦が20年夏に開業した。「遠くに買いに行かなくても、ここに良い服があると思われたい」と話す二人の店には現在、25~45歳を中心に地元の客が通っている。
(相神優波)
鷹之さんは自分の店を出すのが長年の目標で、夫婦の好きなことを生かした店にしたかったという。それまでは東京や長野県に住んでいたが、好条件の物件が見つかったことで、群馬県に移住した。オープン前に店の外観はピンクに塗装し、店内の奥にコーヒースタンドを設置、たくさんの植物も置いて、居心地の良い空間を作った。
商品の主力は60~90年代の古着でアメリカやヨーロッパで買い付けている。最近はオリジナルのTシャツなども出した。服以外にも、ポスターやランプ、棚などのインテリアも仕入れている。
大人も楽しめる古着ならではのスタイリング提案が得意だ。買い付けるTシャツは企業や店のノベルティーやキャラクターなど、面白いプリントの物が多い。それにビンテージのスラックスや光沢感のあるスカートを合わせるなど、モードも加えてまとめている。希少なビンテージ物などを除き、中心価格は4000~1万円だ。
顧客は近隣住民が中心だが、SNSをきっかけに遠方から来店する客も増えた。「都内から来た方は安さに驚いてくれる」という。
コロナ下の真っただ中にオープンしたが、現在は市内に移住者や飲食店などが増えていることも追い風となっている。地元で長く愛される店を目指し、普段から地域の活動にも積極的に参加しているという。