25年春夏にデビューした「ディフォー」(シゲキ)は9月9日、東京タワーメディアセンター内で、26年春夏のショーを単独で行った。時代とともに変容していく順応性、リラックス感のあるドレスアップをブランドの軸としながら、構造的な遊びを取り入れた都会的なスタイルを見せた。
半袖Tシャツと長袖Tシャツが対になったカットソーに、ハーフレングスとフルレングスが一体になったトラウザー。半袖側を着用して長袖をショールのように肩に掛けることで、柔らかなニュアンスが加わる。トラウザーは股上がくりぬかれ、丈の長さを変えて着用することができる。ドッキングそのものは多くのブランドがやってきた手法だが、上質感のある素材を使い、錯覚を起こしているように静かなムードで見せる。知性や現代的な品の良さを感じさせた。

フォーマルウェアもさりげない主張で違和感を出す。コンケープトショルダーのジャケットは、インサイドアウトした裏地もブラックにして光沢感の違いをアクセントにする。チェスターコートは、前後にトラウザーのパターンを重ね、レイヤード仕立てで軽やかなエレガンス。

(須田渉美)