「ハルノブムラタ」(村田晴信)は都内のスタジオで26年秋冬のプレゼンテーションを行い、村田が一体一体の詳細を口頭で伝えた。コレクションのリソースは、20世紀初頭に活躍した建築家のアドルフ・ロースの著書『装飾と犯罪』。装飾性をそぎ落とし、日常に溶け込ませる建築の考え方を、街の景色に溶け込む衣服のたたずまいへと重ねた。
大きく立ち上がったスタンドカラーのコートは、前身頃にキルティング生地を挟んだ2重仕立てになって、静かに力強い。「柱のような縦のシルエットに着目しながら、構築性や柔らかに落ちる線を表現した」と村田。ノーカラーのテーラードジャケットは、肩にジャストフィットさせて緊張感を持たせ、前身頃の裾に量感を出して豊かなドレープラインを強調する。しっかりと作る硬質な一面と、布の質感を生かす柔らかなシルエットとのコントラストによって、マスキュリンな魅力の女性像を描く。
サテンを使ったドレスやトップは、リボンで結ぶようにして袖を作り、結び目から流れ落ちるシルエット。編み地の変化で体にフィットさせたニットドレスは、デコルテに透かし編みのアクセントを入れる。余白を持たせるようにして、華やぎを作る引き算のバランスが目を引いた。
(須田渉美)
